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※写真は全て、撮影可能なエリアで筆者が撮影したものです。
渋谷・池袋・広島と巡回展を重ねた完全版5章に、最終となる横浜展では、「きものの部屋」と「京都の部屋」が加わった全7章の構成となっています。写真・映像・語録・衣装など、展示品の数は約300点にも及びます。会期は26日までと残り少なくなってきました。特に見逃せないのが「きものの部屋」です。石田節子さん監修により、生前の希林さんのコーディネートが所狭しと展示されています。形見代わりに作り替えたり、帯留を駆使したおしゃれなど…希林ワールドを堪能できます。着物に着られず、自分らしく装っていたことを垣間見られます。誰のためでもなく、自分のために着物を着る。見習いたいですね。
樹木希林さんのライフスタイルを語る上で欠かせないのは、家族や家庭への想いではないでしょうか。とかく個性的な印象がある希林さんですが、家族に対する気持ちはとてもシンプルでした。土台がしっかりしていれば壊れない…その言葉の通り、妻であり母である希林さんが堅牢な土台を作り、家庭は紆余曲折ありつつも彼女の手のひらから溢れることはありませんでした。確かな背中を見せて来たことが、同じ着物を着ている娘の也哉子さんの姿から伝わってきますね。人として、妻として、母として、そして女優業のいずれも本気で取り組んできた語録にも励まされます。
一人の人間が生きた姿を辿る展覧会は、節分・立春から改めて一年を始める、よい機会になるのではないでしょうか。
樹木希林 遊びをせんとや生まれけむ展 特別編
そごう美術館(横浜)
会期:1月1日(水・祝)~1月26日(日)
開館時間:午前10時~午後8時(入館は閉館の30分前まで)
入館料:一般1,000円、大学・高校生800円、中学生以下無料
※詳細は公式サイトをご確認ください。