おすすめ展覧会をご紹介

今年も残り僅かとなりました。お正月休みは9連休という方も少なくないのではないでしょうか。2020年の新年の過ごし方として「美術館へ初詣」というのはいかがでしょうか? 東京国立博物館(トーハク)・江戸東京博物館(エドハク)をはじめとする首都圏の美術館・博物館の多くはお正月返上、1月2日から開館しています!さらに元旦から開館しているところも…。それらの中から、2つの展覧会をピックアップしてご紹介します。

横山大観 富士図(右隻) 1945年頃 屏風 六曲一双 紙本着色金泥 171.5×386.2


おすすめ(1)福田美術館・京都府

2019年10月、京都・嵐山に開館した福田美術館では、「福美コレクション展」と称して所蔵品を公開しています。そのコレクションは琳派の俵屋宗達(生没年不詳)、尾形光琳(1658~1716年)。狩野派の狩野山楽(1559~1635年)、狩野探幽(1602~1674年)。円山応挙(1733~1795年)をはじめとした円山四条派などの江戸絵画から、竹内栖鳳(1864~1942年)、美人画の上村松園(1875~1949年)や竹久夢二(1884~1934年)など、明治以降に活躍した画家の作品までと多岐にわたります。

本展覧会では海外の作品も展示されています。マリー・ローランサン(1883~1956年)など洋画も展示されています。松園・夢二との美人画競演も見どころです。次回展ではさらに美人画にフォーカスした展示が予定されていますので、予習を兼ねた鑑賞ができそうです。お正月らしい作品としては、横山大観(1868~1958年)の《富士図》が通期で展示されています。新年に絵画で霊峰富士と初日の出を拝むのも一興ですね。

展覧会会期は2020年1月13日まで。1月2日〜開館しています。

※詳細は福田美術館 公式サイトよりご確認ください。

横山大観 富士図(左隻) 1945年頃 屏風 六曲一双 紙本着色金泥 171.5×386.2


おすすめ(2)国立西洋美術館・東京都

1612-13年頃 油彩/板 ブダペスト国立西洋美術館 Szépművészeti Múzeum, Budapest

1959年にル・コルビュジエ(1887〜1965年)の設計により上野に誕生し、2019年に開館60周年を迎えた、日本初の西洋美術館です。現在、日本・オーストリア友好150周年記念と冠し「ハプスブルク展」が開催されています。ハプスブルク家は13世紀後半から約600年にわたり君臨したヨーロッパの名家です。ヤン・ブリューゲル(1568~1625年)をはじめとした各時代の収集品や、ベラスケス(1599~1660年)の肖像画が印象的なマルガリータ王女、女帝マリア・テレジア、フランス王妃となり革命の露と消えたマリー・アントワネット、美貌の皇妃エリザベート…と、波乱万丈な人生を送った女性たちが多く、彼女たちにまつわる絵画や宝飾品に栄華を見ることができます。

ヤン・ブリューゲル(父)《堕罪の場面のある楽園の風景》

18世紀半ば 唐冠貝、金 ウィーン美術史美術館 Kunsthistorisches Museum, Wien

今回の展示では絵画以外にも興味深い展示があります。写真の小箱は、マリア・テレジアと夫のフランツ一世が彫られています。小さな作品ですが、オーストリアの発展に尽力した夫妻の軌跡を感じる逸品です。

また、武具の展示も見事です。透明なケースに360度鑑賞できるよう展示されているので、材質や技術の進歩により機能性が洗練されていくのはもちろん、用途によるデザインの違いや紋様の変遷などに時代を感じることができるでしょう。どの武具を誰がどんな時に身につけたかはキャプションに記載されていますので肖像画を見る際に思い浮かべることもできますね。

展覧会会期は2020年1月26日まで。1月2日〜開館しています。

※詳細は国立西洋美術館公式サイトよりご確認ください。

《神聖ローマ皇帝フランツ1世とマリア・テレジアの肖像が描かれた小箱》


その他

お正月の箱根といえば駅伝?が挙げられますが、箱根は美術館巡りができる観光地です。仙石原にあるポーラ美術館、星の王子さまミュージアムなどなど…元旦から営業していますので、温泉とともに立ち寄りたいですね。美術館ではありませんが、横浜にある三渓園では三が日に筝曲演奏など伝統芸能で出迎えてくれます。和でほっこり過ごしたい方におすすめです。

この一年を振り返りつつ、新たに迎える一年が穏やかで豊かな日々でありますように。

【出典 参考】

福田美術館 展覧会プレスリリース

国立西洋美術館 展覧会特設サイト

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 お正月は美術館詣でからはじめよう!