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9月から10月にかけては、台風や秋雨前線の影響で雨や風が強まることが多く、竜巻などの突風も発生しやすい時期です。この機会に、防災について考えてみてはいかがでしょうか。
今回は、災害から身を守るために、どのような情報をもとに、いつ避難したらよいのか、警戒レベルを用いた防災情報についてお伝えします。
災害が発生する恐れがある場合に出される情報には、大きく分けて2つあります。
1つは市町村から発令される「避難情報」で、避難準備の情報や避難勧告、避難指示(緊急)があります。これは、市町村が住民に災害の危険を知らせて避難を呼びかけるものです。
もう1つは国土交通省や気象庁、都道府県から発表される「防災気象情報」で、主なものに注意報や警報、土砂災害警戒情報などがあります。これは、早めの防災行動がとれるように、災害が発生する危険度が高まっていることを段階的に伝えるものです。
今年3月、「避難勧告等に関するガイドライン」が改定され、避難情報や防災気象情報に5段階の警戒レベルを用いて伝えることになりました。
警戒レベルとは、災害発生の危険度に応じて、市町村が発令する避難情報と住民がとるべき行動を関連づけて発表されるものです。
これによって、住民は、警戒レベルと避難情報や避難行動を直観的に結び付けることができ、いつ何をすればよいのかが分かりやすくなりました。
市町村が発令する避難情報には警戒レベルを用いますが、国土交通省や気象庁、都道府県が発表する防災気象情報では、警戒レベル相当情報を用います。警戒レベル相当情報とは、警戒レベルと対応してその情報がどのレベルに当たるかを表し、住民の自主的な避難行動の参考となるものです。
警戒レベルには5段階あり、最も危険度が高いものが「警戒レベル5」となっています。
どのレベルでどのような行動をとり、いつ避難したらよいのでしょうか。
(警戒レベル1)
気象庁から早期注意情報(警報級の可能性)が発表されます。この段階で災害が発生する危険性は低いですが、災害への心構えをしておくと安心です。
(警戒レベル2)
気象庁から災害が発生する恐れがあるとして、大雨注意報や洪水注意報などが発表されます。この段階では、ハザードマップで避難場所や避難経路を確認するなど、避難に備える行動をとってください。
(警戒レベル3)
気象庁から大雨警報や洪水警報などが発表され、市町村から避難準備や高齢者等避難開始の情報が発令されます。この段階で、高齢者など避難に時間を要する方は避難を開始してください。また、その他の方もいつでも避難できるように準備しましょう。
(警戒レベル4)
気象庁から土砂災害警戒情報や氾濫危険情報などが発表され、市町村から避難勧告や避難指示(緊急)が発令されます。この段階で、対象地域の方は全員速やかに避難してください。警戒レベル4が全員避難のタイミングです。避難指示(緊急)は必ずしも発令されるものではないため、避難勧告が発令されたら避難が必要です。
(警戒レベル5)
気象庁から大雨特別警報などが発表され、市町村から災害発生情報が発令されます。すでに災害が発生しているため、命を守るための最善の行動をとってください。
この段階では安全な避難が難しい場合があるため、警戒レベル3、警戒レベル4で避難を終えることが大切です。
市町村から避難情報が発令されていなくても、氾濫警戒情報や洪水警報、土砂災害警戒情報などの防災気象情報が発表されている場合、どのような行動をとればよいでしょうか。土砂災害警戒情報の例で詳しくみていきましょう。
土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)が発表され、土砂災害の危険度が高まった場合に、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかけるもので、警戒レベル4相当情報です。
図1は実際に発表されたものですが、右側に示されているように、市町村内で土砂災害の危険度が高まっている領域を、視覚的に分かりやすく把握できるように表示しています。危険度は5段階に色分けされており、各色の意味や相当する警戒レベルは表1の通りです。
これを見ると、「非常に危険(薄い紫色)」の段階で、命に危険が及ぶ土砂災害がいつ発生してもおかしくない非常に危険な状況となることが分かります。これは、避難情報では避難勧告にあたるため、避難を開始するタイミングになります。
市町村は、防災気象情報をはじめとするさまざまな情報をもとに避難情報を発令する判断をします。そのため、同じレベルの避難情報と防災気象情報の出るタイミングは、必ずしも同じになるとは限りません。避難情報が発令されていなくても、避難が必要とされる警戒レベル3や警戒レベル4に相当する防災気象情報が発表されたら、こうした危険度分布などを参考にして、自主的に避難行動をとるように心がけてください。