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今回は、エネルギーの循環に重要な役割を果たす「心臓」と「小腸」に注目して、夏を健やかに快適に過ごす食べ方をご紹介します。
体内の熱や循環機能を管理しているのが、血液循環の原動力である「心臓」と腸管造血で食べものを血液に変える「小腸」です。夏は血液の流れを整えて、体の熱を循環させることが大切です。
顔色が悪い、手足が冷えて頭がのぼせるといった症状や、立ちくらみ。夏場にみられるこのような体のサインは、血液循環の乱れが原因かもしれません。
夏は明るい太陽の季節。朗らかに笑顔で過ごしたいですね。「笑い」には、緊張を緩めて血行を促進する効果があるそうです。そのため、熱を滞りなく全身に循環させてくれるのです。
熱を循環させるには、体を適度に冷やして熱を発散させることも必要です。この季節にあった食材の選び方と食べ方を知って、「心臓」と「小腸」を労りながら体調を整えましょう。
◆苦みのあるもの
食べものに含まれる苦みには、血液中の老廃物を分解して血液の流れを良くするビタミンやミネラル、酵素、抗酸化物質などが含まれています。野菜では春菊やパセリ、大根菜など。ヨモギやフキなどの野草もおすすめです。暑さの厳しい南国で食されているニガウリやウコンも、熱を分散させてくれる食材です。
一方、避けたい苦みのある食べものは、心臓に負担をかけるタバコやビール、コーヒーなど。真夏のビールは、やめられなくてもほどほどにしておいた方がよさそうですね。
◆香ばしいもの
小腸の疲れをとってくれるのが、玄米コーヒーやタンポポコーヒー、三年番茶などよく炒った食品。デンプンの多い根や茎を焙煎したものは、熱を循環させてエネルギーの流れを整えてくれます。
◆赤い色の食材
人参、梅干、赤米、八丁味噌、あんず、クコなど赤い色の食材は、夏の体を元気にしてくれます。トマトには、血管に詰まった汚れを分解するリコピンが含まれていおり、心臓のはたらきをサポートします。トマトをはじめ、キュウリやナス、ピーマン、オクラなどの夏野菜には、過剰な熱を循環させ、発散させるはたらきがあります。
◆天然塩
天然の塩に含まれるにがりにはマグネシウムが含まれており、筋肉の収縮を促します。天然塩でつくられた味噌や醤油、梅干、黒ゴマと合わせたゴマ塩もおすすめ。
◆五穀ではキビ
玄米や白米に混ぜて食べると、夏場の食薬になります。苦みのある穀物としては、タカキビやヒエもおすすめです。
今は夏土用にあたる時期でもあります。土用は、立春・立夏・立秋・立冬の前にそれぞれ約18日間続きます。次の季節に移る変動期で、体や心が不安定になりがちな時期といわれています。食べ方を工夫しながら、笑顔で心穏やかに過ごしましょう!
参考文献
岡部憲二『マワリテメクル小宇宙~暮らしに活かす陰陽五行』ムスビの会 出版部 2016