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北海道の南部の沿岸で漁獲されるごっこ。黒くてゴロンとしているその姿が布袋様に似ていることから、「ホテイウオ」という学名です。お腹には大きな吸盤があり、海底の岩などにくっついて、水深100mほどのところで生活していますが、冬の産卵期になると浅瀬にやってきます。
全長30cmほど。丸々と太った魚体にはウロコがなく、ヌメヌメ、プヨプヨ。骨は軟骨状態。身はゼラチンのようにプルプルで、コラーゲンがたっぷり。直径1~2mmほどの卵はバラバラにほぐれるので、ごっこ汁に入れるとプチプチとして、魚卵好きにはたまらないおいしさです。また、肝は濃厚で、まるでアンコウのような食感です。
市場に並んでいる姿はヌルヌルしていて一見グロテスクなごっこですが、よく見ると、目も口も丸くて、どことなく憎めない顔をしています。
ヌルヌルしているごっこですが、ごっこ汁をつくるときは、まず、ごっこの内臓を取り除いてから熱湯を注いでヌメリを取ります。その後、2~3枚におろし、身をひと口大に切り分け、これを昆布だしで煮て味つけします。
このヌルヌルしたごっこは、ひと口大に切り分ける前に、生干しにもします。生干しは、ごっこを3~4日の間、しっぽのほうから吊っておき、冬の寒風にさらして作ります。干すことによって旨みが凝縮され、下処理も楽になります。これをひと口大に切って、串焼きやから揚げ、バター焼きなどの炒め物にすると、独特の食感がクセになるおいしさになります。
2月になると、恵山では「ごっこまつり」が開かれます。コラーゲンたっぷりのごっこ汁をはじめ、珍しいごっこの生干しも販売されます。ごっこのほかにも、カキやタラ、タコやババガレイなど、地元の旬の新鮮な魚介類も並ぶので、近隣の人たちにとって楽しみな祭りです。
◆日時/2月10(日) 11:00~13:00
◆会場/道の駅「なとわ・えさん」前 特設会場
・ごっこ汁/1杯300円(なくなり次第終了)
・魚介類の販売/ごっこ、カキ、ホタテ、タラ、ババガレイ、タコなど
・漁協青年部による販売/ごっこの生干し、特製海鮮焼きそば、タコ串など
ごっこのキャラクターグッズは丸いフォルムがかわいらしいこともあって、最近、函館のお土産で人気上昇中です。
まるかつ水産オリジナルのごっこシリーズは、ぬいぐるみをはじめ、バッグやマフラー、スリッパやティッシュカバーなど、ごっこの丸い形を利用したグッズが人気です。また、丸い形のごっこまんじゅうも好評。まんじゅうの中には、もちろんごっこは入っていません。
ごっこのご当地ゆるキャラも存在します。その名は「ほていドン」。恵山ごっこまつりのマスコットキャラクターで、まつりを盛り上げてくれます。
〈参考:はこぶら「恵山の冬の人気者 “ごっこ”のご紹介〉
〈参考:函館市「第29回恵山ごっこまつり」〉
〈参考:はこぶら「まるかつ水産オリジナル ごっこ」〉
コラーゲンたっぷりのごっこ汁は、お肌にもいいということから、最近は若い女性にも人気上昇中。見た目がグロテスクなので、ちょっとひいてしまうかもしれませんが、味は抜群です。ごっこは養殖ができないので、旬の時期しか食べることができません。函館近隣では、これからがごっこの旬。真冬の函館に、ごっこを食べに行ってみてはいかがですか。