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サーフィンの歴史は意外と長く、なんと西暦400年頃からすでに行われていたそうで、起源をたどるとハワイやタヒチに住んでいた、古代ポリネシアの人々によって始められた……という説があります。
サーフィンが一気に広まったのは20世紀に入ってからなのですが、近代サーフィンの広まりに尽力した伝説の人物がいました。それはハワイ出身のデューク・カハナモクです。
デューク・カハナモクは、1912年のストックホルム五輪、1920年のアントワープ五輪で金メダルを獲得した伝説の名選手で「近代サーフィンの父」と呼ばれるほど、サーフィン界ではレジェンドとして尊敬されている人物です。といっても、「近代サーフィンの父」といわれながらも、彼が五輪で獲得した金メダルは競泳選手としてのもの。
一流アスリートであり、ニュースポーツ拡大に貢献する活躍ぶりから、いまもレジェンドとして讃えられ、「近代サーフィンの父」と呼ばれてています。
近代サーフィンの父と呼ばれたデュークは、ハワイのワイキキビーチを中心に、多くの人にサーフィンを教えました。また、サーフィンの指導・発展にとどまらず、海での人命救助など海難事故を守る役割も果たしていました。このことから、デュークの功績は現在のライフガードの仕事の原点ともいわれているのです。
デュークはハワイだけでなく、アメリカ本土やオーストラリアなどにも出向き、サーフィンを広めました。そして、サーフィンを伝えると同時に「安全に人が楽しく波に乗ること」が大事であり、サーフィンを楽しめるのも、安全を守るからこそ……と多くの人に伝えたのです。
サーフィンには「ひとつの波には、ひとりしか乗ってはいけない」というルールがあります。
これらのキホンルールをしっかり守っていれば事故は起きない……と諭したデューク。彼はきっと、自然を相手にするスポーツだからこそ、危険を回避する術、思考を身につけることが何より大事だと考えていたはずです。
2020年の東京五輪ではサーフィンが正式競技に選ばれました。これは、若者のライフスタイルに影響を与えているサーフィンを取り込むことによって、新しい層を五輪に取り込もうというねらいがあります。
サーフィンのボードには、大きく分けて2種のものがあります。
◯ひとつは古くから多くの人に愛されている、長さ9フィート(約274cm)以上のロングボード。
◯もうひとつは、1970年前後に登場したショートボードで、長さ6フィート(約183cm)前後のもの。
操作がしやすいショートボードは、よりダイナミックな技がくり広げられるのが魅力です。そのため、2020年の東京五輪ではショートボードが採用されました。世界トップクラスのサーファーが東京に集結し、難易度の高い技が披露されるのは、今から楽しみですね。
── 五輪に愛された近代サーフィンの父、デューク・カハナモク。長い年月を経て、サーフィンが初めて五輪の舞台にやってくることを、彼はどう考えているのでしょうか。きっと誰より喜び、深い感慨を抱いていることでしょう。