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ハーブティーやアロマオイルなど植物を用いた手当てを、植物療法(フィトテラピー)といいます。今回はこの季節におすすめの植物と、無理なく毎日の生活にとり入れる方法ご紹介します。
最もシンプルな方法は「飲む」こと。直接体内に有効成分をとり入れることができます。ハーブティーや液体のチンキ剤、錠剤にしたもあります。
毎日の食事も植物の力をとり入れる絶好の機会。身近な穀物、野菜や果物、ハーブ類も素晴らしい威力を秘めています。慣れ親しんだ食材にも、その時の不調の改善に役立つものがあるのです。
皮膚に塗って有効成分をとり入れることを、「経皮吸収」といいます。アロマオイルを使ってマッサージしたり、アロマオイルを加えたバスソルトを入浴時に使用する方法があります。
アロマオイルの「香り」も、私たちのからだとこころに大きな影響を与えます。鼻から入った香り成分は、脳にある視床下部という自律神経やホルモン分泌を調整する場所に伝わり、リラックス作用やリフレッシュ作用などの生理活性を起こします。アロマポットで香りを楽しんだり、熱いお湯に数滴垂らして湯気で香りを楽しむのも手軽にできる方法です。
◎ネトル (ハーブティー)
和名は「セイヨウイラクサ」。花粉症で起こるアレルギー性鼻炎に。ヨーロッパでは古くから春先の不調をケアするハーブとして用いられてきました。市販の花粉症対策のハーブティーには、必ずといっていいほどネトルがブレンドされています。ほのかに甘みがあり、草の香りが漂う飲みやすい味で、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているのが特徴。
◎エルダーフラワー (ハーブティー)
和名は「セイヨウニワトコ」。目や鼻などの粘膜の炎症に。ヨーロッパでは、インフルエンザや風邪の引き始めにもよく使われます。マスカットのような甘い香りで、美味しくいただけます。ハーブティーのほか、シロップも手に入りやすくなったので、肌寒い日はお湯で割って飲むのがおすすめです。
◎ユーカリ (アロマオイル)
粘液に作用しスムーズな呼吸を助けるといわれる成分、1.8-シオネールが豊富。ハッカに似たスッキリとした香りが特徴です。乳幼児には、よりマイルドな香りのユーカリラジスタを。アロマオイルをマスクの裏側に1滴垂らしたり、コップの水に1滴落としてうがいしてみましょう。
◎ジャーマンカモミール (アロマオイル、ハーブティー)
和名は「カミツレ」。ヒスタミンというアレルギー症状を引き起こす物質を、抑制するはたらきがあるといわれています。ゆったりとハーブティーで味わったり、アロマオイルをベースオイルに加えてマッサージしても。
◎キャッツクロー (ハーブティー、サプリメント)
南米ペルーに自生する灌木で、インカ帝国の時代から治療に用いられてきた薬草。抗炎症剤として注目されており、免疫力にはたらきかけるといわれる成分アルカロイドが豊富。日本でもハーブティーやサプリメントが手に入ります。ハーブティーは、草木の香りがするやさしい味わい。
◎舞茸(食べもの)
免疫力にはたらきかける成分として話題のβ-グルカンが豊富。きのこ類に多く含まれていますが、舞茸のβ-グルカンはより強力!アレルギーが気なる人は、毎日でもとりたい食材です。鍋もの、みそ汁、天ぷら、ソテーしてメインディッシュの付け合わせに。この季節は、日々の献立にぜひ舞茸を登場させてみましょう。
飲む、食べる、塗る、香る。とり入れる方法も、その時の気持ちに向き合ってひと工夫してみませんか。花粉症やアレルギー対策も、植物の力で楽しく美味しく乗り切りたいですね!
森田敦子 『自然ぐすり』ワニブックス 2016