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外を歩いているとき、私たちは冷たい風から体を守ろうとして無意識に筋肉に力を入れています。その状態では当然ながら背中は丸まってしまいますし、肩も胸方向に狭める姿勢になり、体の筋肉の緊張状態が続き、それがひどくなると硬直状態に陥ってしまいます。その姿勢が続くことで「血行不良」→「肩こり」といった悪循環が起きてしまうことになるのです。
さらに、「血行不良」→「肩こり」だけではなく、体が前に丸まったクローズ状態が続くと自然と呼吸も浅くなり、自律神経のバランスも崩れがち……。
こうした場合「起床時にスッキリしない」「時間的にはよく眠ったのに疲れが取れていない」と感じるケースが多いのですが、これは「浅い呼吸→自律神経のバランスの崩れ」が続いていることで「眠りの質が低下している」とも考えられるのです。
寒い時期に体の緊張状態をとくために「マフラー、手袋、靴下などで効果的に体を温める」「食事のときに温かいものを進んで取るようにする」「血行を促すために運動をする」「湯船につかり汗をかく」といった対処をとっている人は多いのですが、仕事でなかなか時間が取れない……、家事や育児に追われている……といった人の場合、長時間の運動やゆったり入浴することは難しいですよね。そこで、どこでもできる簡単なセルフマッサージを試してみてはいかがでしょうか。
■「鎖骨まわり」をほぐそう!
・左手で右の鎖骨の上下を、軽く気持ちいい程度に押しながら平行にさする
・上記を交互に行う。
鎖骨リンパは全身をめぐってきたリンパの戻り口でもあり、老廃物を流すための出口でもあるので、この部分が滞っていると老廃物がたまり、体の機能が停滞することも!
背中や肩が丸まっていると胸部分の筋膜も固まりがちですが、胸まわりの筋膜が硬いままで、いきなり肩を回したり、背中を反ったりしても可動域は広がりません。
首や胸まわりの筋膜をほぐせば自然と胸も開き、深い呼吸ができるようになるうえ、肩や背中のコリがほぐれやすくなります。これと同様に集中的に1ヵ所だけ刺激してしまうと、その部位に強い負荷がかかり、筋肉を傷めかねません。
よって鎖骨の筋膜リリースが終わった後は、首まわりです。こちらも首まわりの筋膜を上下左右にゆっくり伸ばすイメージを描きながら行う簡単な方法ですが、ポイントは「鎖骨に支点を置く」ことになります。
■凝り固まった「首まわり」をほぐそう!
・ 左手を右鎖骨の上に置き、左手の上に右手を乗せて下げるように軽く押す
・ 正面を向いたまま、あごと首をイタ気持ちのいい程度に伸ばしながら10秒ほど止まる
・ 10秒ほど止まった後、左側を向くようにあごと首を伸ばし、イタ気持ちのいい程度で10秒くらい止まる
・ 同じ要領で逆もやる
寒い時季は気づかぬうちに歯も食いしばりがち。そのため気づかぬうちにアゴも疲労状態に陥っています。そんなアゴまわりをほぐせば、首の緊張もほぐれやすくなります。
■疲労気味のアゴまわりもしっかりほぐしてあげよう!
・画像のように両手を頬に置き、噛んだときに奥歯に力が入る(硬い部分)に指をそえる
・奥歯を噛みしめず、硬いところを指で500円大の円を描くように軽く押しまわす(強い力はNG)
■最後に耳まわりもほぐしてあげよう!
あごの筋肉をほぐしたら、仕上げに「耳の上部」「耳の真ん中」「耳たぶ」3個所を、それぞれ円を描くようにやさしく引っ張りながら、ほぐしてあげましょう。耳はふだん意識することの少ない部位ですが、刺激を与えると思いのほか気持ちよく感じるはずです。
── ここまで鎖骨、首ま、アゴ、耳に分けた「筋膜リリース法」をご紹介してきましたが、いずれも筋肉・リンパでなどでつながりがあります。よって、一部分ではなくトータルでゆったりほぐしてあげることが大切です。鎖骨、首、あご、耳のコリがほぐれればリンパの流れもよくなるので、顔のむくみもすっきりするはずですし、肩も動かしやすくなるはず。ぜひ、仕事の合間や家事の合間に試してみてくださいね。