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リビングはとてもあったかいのに、トイレに入ると気温が低くて思わずブルっとしたり、ヒヤッと感じていませんか?
実はこのようにリビングやトイレとの気温差は、からだにいい影響を与えないのです。室温の急激な変化で血圧が変動し、健康被害を起こすといわれるヒートショックになる危険性が大きいからです!
それに、トイレはそもそも排泄する場所。人によっては、排泄時にいきむことで血圧が急上昇する恐れがありますし、特に高血圧や動脈硬化などの疾患を持っている人は、気温差による血圧の急変のリスクも合わさり、心筋梗塞や脳出血などを起こすリスクが高くなる可能性があります。
つまり、温かい場所から寒いトイレに行っていきむのは、ダブルのリスクをはらんでいると言えます。特に注意すべきは高齢者ですが、若い人でも肥満傾向にある人や持病を持っている人は気を付けなくてはなりません。
── では、どのような点に注意すればよいのでしょうか。トイレの場合の注意ポイントは大きく分けて2つになります。
【お尻を出して座る「便座」】に、まず注意を向けてみよう!
まず注意したいのは、直接お尻を出して座る「便座」です。便座が冷たいとヒヤっと感じるだけでなく、そこでヒートショックが起こり、血圧の急激な変化が生じることがあります。それを防ぐためにも、暖房便座を上手に使いましょう。
【設定温度】
設定温度は低めでOK。設定を高温にしすぎると、長く座った場合に低温火傷を起こす可能性があるため、触って冷たく感じない程度の設定で十分です。
【暖房便座ではない場合】
もし、ご自宅のトイレに暖房便座がついていない場合は、便座にカバーをつけたり、便座上部にシートを張るだけでもお尻へのヒヤッと感を防ぐことができます。カバーやシートなどは100円ショップなどでも手に入るので、手軽に対応できますね。
【和式トイレの場合】
ちなみに、和式トイレでは便座に直接触ることはありませんが、洋式トイレよりいきむのが強くなりがちで、血圧の急変を起こしやすくなるため、トイレ内の室温を上げておくことが洋式トイレ以上に重要になります。
── 次は、トイレの室温について確認してみましょう。
【スマートで安全な暖房器具を活用しよう!】
最新のマンションなどでは、トイレにも冷暖房が入っているようですが、まだまだ少ないのが現状です。トイレの室温を上げるために、手っ取り早いのは暖房器具を置くこと。ただ、ヒーターなどの暖房をずっとつけっぱなしにしておくのは、火事なども気になりますよね。それに、一般的にトイレの滞在時間はあまり長くないので、効率よく温まる暖房器具を選びたいはず。
【トイレ用暖房器具を選ぶ際のポイント】
そこでチェックしておきたいのが、トイレ用に開発されたコンパクトなセラミックファンヒーターです。温風ですぐに温まることや、人感センサーが搭載されていたり、横置き・縦置きが可能な2WAYタイプなど、さまざまな種類があります。ご自宅のトイレ状況に合わせて選んでみてはいかがでしょう? 暖房便座やウォシュレット機能付きトイレの場合は、暖房器具を置くとコンセントが二つ必要になりますので、その点もご注意くださいね。
【トイレに窓がある場合】
また、忘れてはならないのは、窓があるトイレの対策です。窓が設置されていると、そこから冷気が伝わりやすくなります。この冷気を防ぐために窓にカーテンをつけたり、断熱フィルムを貼ることで、忍び寄る冷気を防御できます。すきま風が入る場合はテープでふさいだり、市販のボードなどを立てるのも有効。冷えの感じ方が違いますから、ぜひお試しを。
ここまで、ポイントごとにご紹介しましたが、最後にトイレでの「ヒートショック」を防ぐためにできることを5つにまとめてみましょう。
■居室とトイレの室温差に注意
居室とトイレの温度差は「5度以内」が望ましいと言われています。自宅のトイレに暖房機能が設置されている場合は使用し、設備がない場合は暖房器具を活用して室温を上げましょう。暖房器具の使用にあたっては、火事や火傷など安全に十分ご注意ください。
■便座を冷たいままにしない
冷たい便座に触るとヒヤっとして、急激な血圧の変化を招きます。特に高血圧の人などは、血圧が急変するリスクが高まるので危険です。暖房便座がある場合は利用し、ない場合にはシートやカバーをかけるなど、お尻に便座の冷たさを直接伝えないようにしましょう。
■深夜にトイレにいく場合は、上着や厚手の靴下などを着用
夜中や明け方などに目が覚めてトイレを利用するときは、ヒートショックを起こしやすいと言われています。パジャマのまま裸足でトイレに行くのではなく、上着やガウンなどを羽織ったり、厚手の靴下やスリッパなどを履いて、冷気に肌が直接触れるのを防ぎましょう。
■トイレから出るときはゆっくり立ちあがる
トイレでいきんでいきなり立ちあがると、血管が広がって貧血状態に陥る可能性があるため、立ちくらみが生じることも。狭いトイレで転ぶとケガをしたり、打ちどころが悪い場合は意識を失なうことにもなるため、手すりなどにしっかりつかまって、ゆっくり立ちあがるようにしましょう
■水分を摂って、便秘にならないように工夫する
寒いトイレでは血圧上昇のリスクだけでなく、いきむことで血圧が急上昇し、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な症状を引き起こしかねません。睡眠前はもちろん、普段から水分をしっかりとるようにしたいもの。さらには食事のバランスに気を配る、便秘薬を上手に服用して、スムーズな排便を心がけましょう。