- 週間ランキング
キッチンに必ずあるといってもよいおなじみの食材、にんにくと玉ねぎ。疲れがたまりやすい時期に積極的にとりたい野菜の代表選手です。このふたつの食材にはアリシンという成分がたっぷり含まれており、ビタミンB1と結合することでアリチアミンという元気のもととなる成分ができるのです。玉ねぎにはビタミンB1も含まれているので、相乗効果で疲れの回復にパワーを発揮してくれます。
料理するときは、ビタミンB1が豊富な豚肉に玉ねぎとにんにくを合わせるのがおすすめ。この3種類の食材をベースに、料理のレパートリーを考えてみるのはいかがでしょうか。にんにくには、からだを温めてくれる作用があるので血流を促し代謝も高めてくれます。体温があがるとアリシンがはたらきやすくなるメリットも。身近な食材を使った最強の疲労回復メニューを、ぜひ毎日の食卓に登場させてみましょう!
レモンに含まれる酸味はクエン酸によるもの。クエン酸が疲労物質である乳酸を分解することで、疲れを軽くしてくれます。寒い冬には、お湯に新鮮なレモンを絞ったホットレモン水がおすすめ。からだがぽかぽか温まって疲れをいやし、さわやかな香りでリフレッシュできます。レモンの皮には殺菌・消毒作用のある有効成分が含まれているので、風邪の予防にも活用できます。ぜひ農薬に配慮したレモンを買い求め、皮の部分もキュッと絞ってみてくださいね。
レモンの他にもグレープフルーツやお酢、梅干しなどもクエン酸を含んでいます。疲れやすいと感じたら、酸味のあるものを意識的に摂取するのも有効です。季節柄、からだを温めながらクエン酸をとりいれる工夫をしてみましょう。
心身ともに疲れを感じたときの切札ともいうべき高麗人参(オタネニンジン)。疲れがたまって弱ったからだの底上げをしてくれる、頼もしい存在です。性ホルモンに近いステロイド成分が含まれるといわれており、男女問わずおだやかにホルモン分泌を促して免疫力を高めてくれます。濃縮エキスやサプリメント、お茶など、さまざまな形態でとりいれることが可能です。
このように身体の機能を正常化する作用をもつ植物は「アダプトゲンハーブ」といわれ、近年注目を集めています。高麗人参をはじめ、スーパーフードとして人気のマカ、クコ(ゴジベリー)、甘草(リコリス)、エゾウコギ、ホーリーバジルなどもアダプトゲンハーブに分類されています。
なかなかとれない疲れを感じたら、自分のライフスタイルに合わせて、毎日の食をひと工夫してみませんか。健やかに気分よく、来るべき年末年始を迎えましょう!
参考文献
森田敦子 『自然ぐすり』ワニブックス 2016