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「みんなで鍋をつつく」形が普及したのは、江戸末期から明治ごろと考えられています。まず江戸時代に流行したのが「小鍋立て」と言って、直径20cmほどの小鍋を七輪にかけ、少人数、もしくは一人で食べる鍋でした。明治時代には、文明開化の象徴として「牛鍋」が流行り、ちゃぶ台などの普及によって鍋料理は家庭に定着していきました。
いまや日本で食べられる鍋は100種類を超えるといわれています。ここ数年のトレンドは味付けうんぬんより「インスタ映え」する鍋。
2018年にかけてはさらに進化して、動画映えする「ムービージェニック」鍋が流行すると言われています。「ムービージェニック鍋」とは、思わず動画を撮りたくなる演出を施した鍋のこと。検索すると、すでにたくさん投稿されていますので、気になる方はチェックしてみては!
水炊き、ちゃんこ鍋、キムチ鍋、石狩鍋、きりたんぽ鍋……鍋の種類は挙げたらきりがありませんが、鍋はスープの特徴によって3つに分類できます。それぞれの特徴を押さえておくと調理の際、役に立つのではないでしょうか。
●水鍋:水煮タイプ
ダシを用いず、真水で炊く鍋。水炊きなど具材から出るダシでいただきます。各人が薬味や調味料で好みの味にして食べるので、失敗なく作ることができる鍋料理のスタンダードです。
●煮汁鍋:薄味で煮るタイプ
味つけしたダシ汁で作る鍋で、おでんや寄せ鍋など多くの鍋料理がこのグループに入ります。最近ではバラエティ豊かな鍋用調味料が販売されているので、上手に活用し、いろんな味にトライしましょう。
●すき鍋:濃い味で煮るタイプ
鉄鍋を用い、濃い味に作った割り下や味噌だれで煮る鍋のこと。すき焼きがこれに当てはまります。
鍋の基本的な味付けを理解したところで、作り方のポイントをお教えします。
基本のダシの取り方と具材を入れる順番を覚えておきましょう。
【ダシの取り方】
●水鍋
・皮や骨付きの鶏肉をぶつ切りにし、水から煮立たせる。
・水を張った鍋に昆布をしき、ひと煮立ちさせ、鶏肉を入れる。
●煮汁鍋
ダシ汁にみりん・しょうゆ(または、みそ、塩)で薄味をつける。
※水鍋と煮汁鍋は、最初は強火で、食材が入り、いったんお鍋が沸騰したら、中火にします。
●すき鍋
鉄鍋に油をひき、ネギを焼いて香りを出し、牛肉をさっと焼く。割り下(しょうゆ・みりん・水、各100mL+砂糖、30g)をまわしかける。※弱火にして具材を入れる。
【具材投入のポイント】
◎鶏肉、つみれ、魚介類など、ダシを取るための肉・魚介は先に入れる。
◎かたくなりやすい豚・肉は食べる前に入れる。
◎ゴボウやニンジンなどの根菜類、そぎ切りにした白菜の芯の部分を入れる。
◎シイタケは、遅めの投入が基本で、お豆腐と一緒に入れる。
◎エノキ、シラタキ、葉物野菜など直に火が通る食材を最後に入れる。
── 鍋料理、何でも投入すればよいと思ってはいませんでしたか?
具材を入れる順番を考えるだけで、いつもよりおいしく仕上がります。冷たい風が吹いた日の夕食に、鍋をぜひ!
参考HP:紀文