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フウ(Liquidambar formosana)は、フウ科フウ属(リキュドアンバー属)で、日本でも各地から葉の化石が発見されており、その昔は日本の風土に自生していたことがわかっています。
種小名のformosanaは台湾産を意味し、現在あるフウは、台湾以南の中国大陸東岸省などに残存する種が江戸時代にわたってきたものと思われます。フウは、落葉性の高木であり、あまり枝分かれせず、主幹が天に向かって立ち上がるので、見栄えのよい樹形になります。葉は互生につき、葉の縁は大きく三つに分かれ、秋に美しく紅葉します。球状の大きな集合果が、イヤリングのように垂れ下がるのも大きな特徴の一つです。
紅葉が美しいことから街路樹や公園に数多く使われています、樹脂には特有の香りがあり、中国では「楓香脂」として薬用に使われました。秋にできるプラタナスのような実は、柔らかな毛でおおわれています。中に含まれる種は甘味があり、朝鮮半島では食用にされてきました このタイワンフウの他に、アメリカフウ(モミジバフウ)という種類もあり、ますますややこしいです。モミジと名に付いても、カエデ属ではなくフウ属なのですから紛らわしいですね!こちらは北米大陸の原産です。大正時代に移入されました。
一般にカエデと呼ばれている樹木は、カエデ科カエデ属の、主として北半球の温帯に分布している150種を総称したものです。
特に、東アジアを中心に日本に約20種、中国に約30種が分布し、北アメリカ、ヨ-ロッパにまで広がっています。主に落葉高木で切れ込みのある葉をつけていますが、まれに常緑性のものや切れ込みのないものもあります。葉を対生につけるのが特徴です。
園芸品種が多く、特にイロハモミジ(イロハカエデともいう。Acer palmatum)、ハウチワカエデ(Acer japonicum)など、日本産の種に属する品種が200~400品種といわれています。園芸の世界では、切れ込みが深く数が多いものをモミジ、浅く少ないものをカエデと呼んでいます。
カエデには「槭」という漢字も当てられます。南半球に存在する1種類(Acer laurinum)以外は、すべて北半球に存在します。天使の翼のような2枚がついた種を落としてみるとパラシュートが回転しながらくるくると落ちていくようで、秋の木の実遊びにぴったりです。
ブドウ・栗などの果実や木の実が美味しい季節ですね。
フウやカエデの紅葉はまだ11月以降ですが、それにさきがけて、実のなる季節が始まっています。
食用でなくとも、実や種が木々に宿り、新しい命をのせて旅立つ準備をしている季節です。
気になる実を調べてみませんか?その造形は美しく、内に秘められたエネルギーが感じられます。
秋のキャンドルや、冬のリース作りなどにむけて、何の実がどこに多そうかチェックしてもよいですね。
楽しい秋をお過ごしください。