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小説、映画、ドラマなど…ミステリーとサスペンスは、日本においては明確に違いはないそう。特に区別する必要は無いようですが、あえて言うならば、大まかには、ミステリーは「謎解き」を意味し、サスペンスは英語suspenseの意味「宙ぶらりん、不安定な状態」から転じて、謎解き(ラスト)までの、ヒヤヒヤ・ハラハラといった過程を指すようです。
謎解き・ミステリーよりサスペンス、観客たちをいかにヒヤヒヤハラハラさせることに重きを置いている映画監督がいるのはご存知ですか?サスペンス映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督は、謎解きそのものに特にこだわりがなかった、と言われているそう。それよりいかに、観客たちを飽きさせることなくサスペンスフルな展開に引き込むことが重要だと考えていたようです。確かに大ヒット作「サイコ」の名場面・ヒロインのシャワーシーンは、あの恐怖を駆り立てる音楽と共に印象に残っている方も多いですよね。後に様々な映画やドラマで真似されることに…それだけ多くの人々に恐怖のシーンとして刷り込まれたからではないでしょうか。筆者も結末よりあのシーンの方が記憶に残っている気がします。
また、難解なストーリーと映像美で世界中に熱狂的なファンを持つデビッドリンチ監督。「ブルーベルベット」「マルホランドドライブ」など多くの映画ヒット作の他、1990年代大ヒットしたテレビドラマシリーズ「ツインピークス」でも知られています。女子高生殺人事件がテーマであるミステリー作品にも関わらず、彼はなんと当初、犯人を設定していなかったとか。しかし回を重ねる毎にどんどん人気は上がり、犯人解明「謎解き」を待つ視聴者の期待に応えるべく急遽、犯人を設定したのだとか。確かに犯人解明に至るまでのドキドキハラハラなストーリー展開が面白かったので人気が集まったのかもしれませんね。二人の監督の狙い通りだったようです。
「ツインピークス」は、ヒロインの「25年後に、又会いましょう」という謎の言葉で終わりを迎えます。そして、本当に25年の時を経て、なんと続編が製作され、話題になっています。現在、日本でもWOWOWで放映中です。世界中のファンが待っていた続編は、さらにデビッド・リンチらしい斬新なストーリー展開。筆者も毎回楽しみに見ていますが、あまりにもサスペンスフル(!?)な内容で、ついていけないほど…ひょっとしたらデビッド・リンチらしくオチ(謎解き・スッキリ)がないような予感もしますがついつい引き込まれてしまい、毎回見てしまいます。
ミステリー映画だけでなく、ナスカの地上絵、ピラミッド、未確認飛行物体、マチュピチュ…世界中には、謎「ミステリー」があふれています。そして、謎に人々は惹きつけられます。答えが見つけられないからこそ、惹きつけられるのではないでしょうか。
でも一番のミステリーは身近な人の心の中では?どんなに近しい人でも「え?こんなこと考えてたの?」と驚かされることはありませんか。人の心は本当に複雑、わからないからこそ惹かれ合うのかもしれませんね。