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血液は心臓というポンプによって押し出され、全身をめぐりますが、リンパ液にはポンプの役割をするものがありません。それでは一体、リンパ液はどのようにして流れているのでしょうか。
答えは、「筋肉の動きとリンパ管そのもののぜん動運動」です。
そもそもリンパ液は血液の一部であり、全身を流れる量も血液ほど多くなく、またリンパ管も血管よりも細いため、リンパ液の流れはゆるやかです。全身をめぐる速さを比較すると、血液が1分かかるのに対し、リンパ液は約1日かかるといわれています。
リンパの流れが滞ると、体内の余分な水分が回収できず、むくみが生じたり、免疫機能が低下して老廃物がたまったりするなど、体調不良を引き起こす原因となります。
前述したとおり、リンパの流れは安静状態ではゼロに近いといわれており、だからこそ「リンパ節に向かってリンパを流してあげる=リンパマッサージ」が、私たちの身体にとって有効な手段なのです。
リンパ管の合流地点であるリンパ節は老廃物が蓄積する場所です。全身には約800個のリンパ節が存在しますが、重要なリンパ節を把握しておくと、より効果的なマッサージが行えます。
◎鎖骨リンパ節
体内のリンパ液は左鎖骨下の静脈から排出されるので、ここが最終地点となります。この部分が滞っていると老廃物が流れにくくなるので、まずは鎖骨リンパ節をほぐすことがポイントです。時間がないときは、ここを刺激するだけでもリンパ液の流れがよくなるのでオススメです。
●耳下腺リンパ節(耳のつけ根)
耳のつけ根にある顔のリンパの出口となるリンパ節です。
改善:顔のむくみ
●頚部リンパ節(首のつけ根)
首には多くのリンパ節が集まっています。
改善:肩こり・頭痛・自律神経の乱れ
●腋下リンパ節
脇の下にあるリンパ節です。
改善:肩こり・二の腕のたるみ・手指のむくみ
●腹部リンパ節
おへそ周りにあるリンパ節です。
改善:便秘・生理不順
●そけいリンパ節(脚のつけ根)
多くのリンパ節が集中し、下半身のリンパ液が流れ込む中継地点です。
改善:内臓機能の低下・生理痛・下半身のむくみ
●ひざ下リンパ節(ひざの裏)
足に流れるリンパの中継地点となるリンパ節です。
改善:足のむくみ・冷え性
マッサージのポイントは“方向と圧”です。まずは最終出口である鎖骨リンパ節から、徐々に遠くのリンパ節へ向かって行います。
やり方は簡単♪
ボディークリームやアロマオイルなどを利用し、指の腹をつかってゆっくりさするだけ。リンパは筋肉の外側、皮膚に近いところにあるため、気持ちいいと感じる程度の力でなでれば(さする程度でも◯)OKです。
リンパ節に向かって3〜5回なでたら、最後にリンパ節を軽く押してあげましょう。こうすることでリンパ節にためた老廃物をしっかり押し出すことができます。
── 今日はリンパの流れと基本的なマッサージ方法についてのお話をしました。まだまだ奥深い“リンパ”、tenki.jpでは今後もご紹介していきたいと思います。