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ひと昔前までは、お葬式といえば大勢の人が弔問に訪れるのが一般的でした。近隣の人たちや、故人の元同僚、遺族の仕事の関係者などが参列し、数百人規模になることもありました。しかし、最近では「家族葬」といわれるように、そこまで大々的ではないお葬式が増えています。
ただ、「家族葬」といっても何をもって「家族葬」するのかは、明確ではありません。そのため「家族以外は弔問に行ってはいけない」と考える人もいるようですが、そんなことはありません。むだなお金はかけずに、親しい人たちで温かく故人を送りたい。そんな思いが「家族葬」という言葉に込められているようです。
また、お葬式のかたちも変化を続けています。リビングのような葬儀場で自宅にいるかのようにくつろいでお別れをしたり、故人が好きだった歌をみんなで熱唱するといったお葬式もあります。
さて、お葬式に参列する際に気になるのが、マナーです。
例えば喪服……。
一般的にお通夜へは平服で参列するものが一般的なマナーといわれています。突然の訃報にもかかわらず、準備万端、喪服を着て参列すると、まるで亡くなることを予期していたように思われる、というのがその理由です。
ただ、最近、東京など都市部ではお葬式よりもお通夜に参列する人のほうが多く、黒い服で参列するという方もいます。さらに、訃報から数日経った後のお通夜ともなれば、喪服を着ていたからといって特に違和感はないようです。
服装だけでなく、お通夜やお葬式などで遺族にあいさつする際にも、気をつけなければならないことがあります。というのも使う言葉によっては、遺族に対して失礼になることもあるからです。これらを「忌み言葉」といいます。
例えば「たびたび」「くれぐれも」など同じ言葉を重ねたり、「再び」「追って」といった言葉は、不幸が重なることを連想させるという理由から避けた方がよいとされています。
また、故人の信仰によっても避けたほうがよい言葉もあります。日常、よく使われる「天国」という言葉は、キリスト教の言葉で、仏教では使われません。反対に「成仏」「供養」などの言葉は仏教用語です。神道やキリスト教では使わないのがマナーです。
同様に、お香典の表書きも宗旨・宗派、さらに地域の慣習によって異なることもあります。
ごく親しい人で行われるお葬式が増えるに従って、最近では身内や親しい人にしか連絡をせず、例えばお葬式が終わってひと段落ついた段階で、訃報を知らせるということも珍しくはなくなりました。あるいは、年末に年賀欠礼状、いわゆる喪中はがきで訃報を知らせるというケースも増えています。
訃報を受け取る側に立ってみると、お葬式が終わった後に知らせを受けると、「なぜすぐに知らせてくれなかったのだろう?」と寂しい思いをすることも多いようです。この場合、あとからでも遺族の自宅へ弔問に訪れるということもありますが、進物用のお線香などを贈ることで、弔意を表すという方法もあります。