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私たちの生活に馴染みの深い「納豆」ですが、納豆の起源には諸説あります。
まず一つは、弥生時代説です。弥生時代といえば、稲作や豆類の栽培が始まった時代です。当時人々が暮らしていた竪穴式住居の中心には炉が置かれ、さらには床に稲藁が敷かれていました。納豆菌は枯草菌の一種で、暖かくて湿ったところを好む特徴があります。そうです、竪穴式住居は納豆菌の住処とも呼べるような環境だったのです。
当時の人々は豆を煮て食べていたと考えられています。その煮豆が藁の上に落ち、自然に発酵したものが納豆のはじまりであったのではないかと言われているのだそうです。
そして二つ目は、平安時代説です。
当時の戦いに馬は欠かせないものでした。そして馬の飼料として使われていたのが、大豆だったのです。人々は、大豆を煮て乾燥させた後に俵に詰めて運んでいました。
平安時代後期の武将である八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ)は、奥州の清原家内で起きた争いを鎮めるために奥州へ赴いた際、農民たちに飼料として大豆を差し出すように命じました。急なことで焦った農民たちは、煮た豆をちゃんと冷まさないまま藁で包んでしまったのです。その豆が兵士の手に渡ってから数日後、豆が糸を引き、匂いを発していました。これが納豆の始まりなのではないかと言われています。
納豆の起源には他にも、「中国からやってきた説」や「聖徳太子の馬に与えていた煮豆からできた説」など、諸説あります。今となっては当然のように食卓に並ぶ納豆ですが、藁の中でネバネバになった大豆を食べてみようと思うなんて、今ではなかなか考えられませんね。
今では一年中店頭に並んでいる納豆ですが、一年中納豆を手に入れることができるようになったのは江戸時代中期のことです。それ以前は主に冬に食べられていました。そのため、現在でも納豆は冬の季語とされています。納豆が登場する俳句の中には、私たちがよく知っている人物の作品も多くあります。
歌ふて曰く納豆売らんか詩売らんか / 正岡子規
からつくや風に吹かれし納豆売 / 夏目漱石
上の2つの俳句には、「納豆売り」が登場しています。
納豆が庶民の間で広く食されるようになったのは、江戸時代のことです。江戸の町では、毎朝納豆売りと呼ばれる人々が「なっと、なっと、なっと~」という掛け声とともに納豆を売り歩いていたのだそうです。
日本の朝食と言えば納豆というのは、この時から始まっていたのですね。
今回は、納豆の歴史をご紹介しました。
納豆には、血行をよくしてくれるビタミンEや、貧血を予防してくれる鉄分、便秘を予防してくれる食物繊維など、様々な栄養が含まれています。夏は「暑くて料理したくないし、食欲もない!」なんて日があると思います。そんな時は気軽に食べられて栄養たっぷりの納豆を食べるのもいいかもしれませんね。
<参考・参照サイト>
mizkan
タカノフーズ株式会社