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紫陽花の代表的な花言葉は「辛抱強い愛」「家族団らん」などの温かい意味と、「移り気」「冷淡」などの相反する意味があります。
“愛”の象徴として、母の日のプレゼントにも人気の花ですが、もう一方の花言葉である「移り気」は、紫陽花の特性に基づいているようです。というのも、紫陽花は土壌の成分(酸性かアルカリ性か)によって花色が変わる植物。そして開花後にも色が変化していきます。万葉集でも「移ろいやすい」という意味と「繁栄」という意味の両方のたとえとして、紫陽花は使われています。
日本で初めての武家政権が生まれた地「鎌倉」の中心に鎌倉幕府が設立したこともあり、寺が多い街です。“愛”に関する花言葉をもち、雨にも似合う紫陽花は、供養や祈りを捧げる場である寺にぴったりといえるでしょう。
しかしそれ以上に、紫陽花の長く細かい根が、鎌倉の地形に合っていました。鎌倉は山に囲まれた街。雨による斜面の土砂崩れを防ぐために根を横に広く張る紫陽花は、うってつけだったのです。
鎌倉という古都の美しさを際だたせる紫陽花は、街を守るために大切な存在であったのですね。
こうして紫陽花の花見スポットとなった初夏の鎌倉ですが、見どころは、北鎌倉方面と長谷方面に分かれます。
明月院(あじさい寺)
鎌倉あじさい三大名所の一つで、北鎌倉方面の代表的なスポットです。見どころは、約2500株の紫陽花のうち約8割が青色の紫陽花であること。「明月院ブルー」と呼ばれる青色の紫陽花で美しく染まる参道は、ぜひ訪れたい場所の一つ。混雑は必須なので、早めにお出かけを。
●住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189
●アクセス:JR北鎌倉駅下車 徒歩10分
●拝観料:300円(6月は500円)
●時間:9:00〜16:00(6月のみ8:30-17:00)
●TEL.:0467-24-3437
●駐車場:なし
東慶寺
北鎌倉駅から徒歩数分のお寺です。別名「駆け込み寺」「縁切り寺」ともいわれ、江戸から明治にかけては、女性救済の寺としても知られていました。趣ある寺で、四季折々の美しい花々が咲くことでも有名。山門の紫陽花は見事です。
●住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1367
●アクセス:JR北鎌倉駅下車 徒歩4分
●拝観料: 大人200円 小・中学生100円
●時間:8:30〜16:30
●TEL 0467-33-5100
長谷寺
鎌倉の海と町並みが一望できる見晴台があり、眺望と花見を楽しめるのが長谷寺のよさ。眺望散策路には、青、紫、赤など40種類以上約2500株の紫陽花が咲きほこり、散策にぴったり。「鎌倉の西方極楽浄土」と呼ばれるにふさわしい景観が広がります。鎌倉あじさい三大名所の一つです。
●住所:神奈川県鎌倉市長谷3-11-2
●アクセス:江ノ島電鉄 長谷駅下車 徒歩5分
●拝観料:300円(小学生100円)
●時間:8:00〜17:30(最終入門17:00)
●TEL.:0467-22-6300
●駐車場:あり(参拝者のみ利用可)
御霊神社
「権五郎さま」と親しまれている神社。江ノ電がすぐ横を走り、鳥居と江ノ電、紫陽花と江ノ電といった他にはない組み合わせが楽しめるため、カメラを手に多くの人が集まります。社殿裏の「紫陽花の小道」では、色とりどりの紫陽花を観賞できます。
●住所:神奈川県鎌倉市坂ノ下4-9
●アクセス:江ノ島電鉄長谷駅から徒歩で5分
●拝観料:なし(収蔵庫は大人100円)
●時間:9:00-17:00
●TEL.:0467-22-3251
●駐車場:なし
── 鎌倉あじさい三大名所の一つである成就院は、工事の影響で2017年の紫陽花は見ることができません。来年以降に期待したいですね。
でも、鎌倉には散策にぴったりの有名スポットが数多くあるので、見ごろを迎える色とりどりの紫陽花鑑賞を兼ねて、そちらにも足をのばしてみては! お出かけの際は事前にこちらから鎌倉エリアの天候を確認してくださいね。