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白い可憐な花を咲かせる「ドクダミ」。過酷な環境でも繁殖力が強いことで知られていますが、その秘密はなんだと思いますか?
実はこの白い花びらの部分は、花ではなく、葉っぱです。花のような形状の中央部に本当の花が集まっており、葉が花のような役割をして、匂いを発し昆虫を引き寄せています。しかし、この「ドクダミ」は正常な生殖がうまくできなかっため、結局自らの株からクローンを作り出すクローン種子で増えています。受粉などの必要がないということは、環境さえ整えば増殖がが容易だということです。
なんとそのようなクローンを作り出せる雑草は他にもあり、西洋タンポポやヒガンバナも同様だということです。いずれもなかなか存在感ある雑草たちですが、群生の様子はさらに生命力あふれており圧巻ですね。過酷な環境によりそんな進化をたどりクローンを作り出す力までもったとは驚きです!
ちなみに、「ドクダミ」の花ことばは、「野生」「白い追憶」。。。ドクダミの生態にぴったりのイメージです。
花の中心の突き出た部分をみたてて、英名では「とかげのしっぽ」、葉の色から「カメレオンプラント」、葉の形から「ハートリーフ」などのかわいい呼び名があります。漢方の「十薬」という呼び名も、もともとは、ドクダミを農耕馬にあたえると十の薬効があったことからといわれています。但し独特の匂いが苦手、口にいれたり身に着けたりするのはちょっと、、、という方にお勧めなのが、消臭剤としての活用です。
「ドクダミ」のフレッシュな葉っぱを数枚ネットなどにいれ、キッチンのダストボックスやお手洗いのサニタリーボックスにいれると、あら不思議⁉ドクダミには消臭効果もあるようです。意外にドクダミの葉の匂いも気になりません。シューズボックスや冷蔵庫など、気になるところにいれてはいかがでしょう?
この季節の自然の恵みを、まずはこんなことから活用してみてもよいですね。葉が乾燥するまで効果が続きます。
生のドクダミの香りは強いですが、干すことで適度な香りとなります。
煎じて飲むのに抵抗がある方も、入浴剤としてはいかがですか?マイルドで肌当たりのよい柔らかなお湯となります。
鉄製のやかんや鍋などは、ドクダミの成分で化学変化をおこしてしまうので、土鍋や鉄製でない鍋、急須にいれていただきましょう。
【ドクダミ茶】
1)5~6月、葉のきれいな時期に茎の根本部分からカットして摘み取る
2)水でよく洗う
3)水を切り、3本ほどの束をつくり、さかさまにして日陰で風通しのよいところにつるす
4)2~3週間で葉がパリパリに乾いたら、葉を全部取る
5)葉を10~20g、土瓶か耐熱性の急須にいれお湯を注いでいただく
【ドクダミ風呂 】
※ドクダミ茶の1)~4)を参照して葉を乾燥させます
1)乾燥させたドクダミ2~3つかみを鍋に入れて水(約1リットル)を入れる
2)半量になるまで煮詰める
3)煎じ液を湯船に注いで入浴
新年度の心身の疲れがたまってくるこの季節、これから気温が上がったり湿気が続いたりと少し注意が必要です。
ドクダミ風呂やドクダミ茶などを活用して、うまく心身のバランスをメンテナンスをしていきたいものですね!
参照:
「毎日の保育で豊かな自然体験!自然・植物あそび1年中」出原大著 学研
「散歩が楽しくなる雑草手帳」稲垣栄洋著 東京書籍