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まずご紹介するのは、日本の民話。
「猫の踊り」または「猫浄瑠璃」などと題されるお話をご存じですか?
長年にわたって飼い馴らしたネコが、まるで人間のように歌ったり踊ったりして、飼い主を楽しませるように。
それをうっかり他人に話してしまった飼い主が、たいへんな目に遭うのですが……この先はぜひ、調べてみてくださいね。
アイヌの人々のあいだにも、ネコにまつわる民話がたくさん伝わっています。
「山に狩りに行った人が、クマに襲われそうになった時、ネコが飛びかかって助けてくれた」
「家族をなくした人間の子どもを、ネコの夫婦が人間に化けて育てた」
……こんなお話があるそうですよ。
インドに伝わるのは、ネコとトラが登場するこんな物語。
あるところに、何でも知っているネコと、身体は強いけれどおつむは単純(?)なトラがいました。
賢いネコはトラに色々なことを教えますが、木登りの方法だけは教えなかったのだとか。それで、トラにつかまることなく助かったのだというのです。
ネコがえさを食べた後などに、いわゆる「顔を洗う」仕草をしているのを見かけますよね。
その仕草の由来を教えてくれるのが、ブルガリアに伝わる民話です。
ある時、スズメをつかまえたネコ。さあ食べよう、という時に、賢いスズメがこう言いました。
「すぐに食べたりして恥ずかしくないの? あなたのお母さんはちゃんと顔を洗ってから食べていたよ」
それを聞いて、そうか顔を洗おう、とスズメを押さえていた前足を離してしまったネコ。スズメはそのすきにサッと飛び立ってしまいました。
ネコは悔しがって、それからというもの、まずは食事をしてからゆっくり顔を洗うようになったのだとか。
「ノアの方舟」が流れ着いたとされるアララト山がある、アルメニア。
方舟の上でライオンがくしゃみをしたところ、鼻の穴からネコが飛び出しました。
「だから、ネコはライオンに似ているんだよ」……この民話はそう締めくくっています。
フランスには、全身が真っ黒なネコは、そのネコを大切に扱う人に「富をもたらす」という言い伝えがあるのだそう。
たとえば、誰かが一夜にして大金持ちになり、その理由が定かでない時など、「きっと黒猫を飼っているのだ」と言われたのだそうです。
一方、ドイツでは「一本も白い毛がない」真っ黒なネコは悪魔とされました。
なんでも、そのネコを売って手に入れた銀貨は魔法の力を持つ、とされたのだとか……。
同じヨーロッパでも、真逆の言い伝えがあるのが面白いですね!
このほかにも、ネコが登場する「ことわざ」「伝説」「民話」などが世界じゅうにたくさん存在します。
ネコにちなんだ本を探して、読書を楽しむ「ネコの日」もいいかもしれませんね!
参考:日本民話の会/外国民話研究会編訳「世界の猫の民話」(三弥井書店)