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「節分」は季節の分かれ目のことですから、「立春、立夏、立秋、立冬の前日」を指し、年に4回あります。
その中でも、なぜ、2月の節分を盛大に行うのかといえば、昔は立春が新年の始まりに相当すると考えられ、最も大事な節目とされたからです。
季節の分かれ目には邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うために悪霊ばらいの儀式が行われてきました。節分で行われる豆まきもそのひとつ。豆まきは、平安時代に宮中で行われていた「追儺(ついな)」が起源とされています。
そして、ここ数年ブームになっているのが「恵方巻」です。「恵方巻」とはどんなものかご存じですか。
「恵方」とは、その年の最も良いとされる方角のこと。その方角に、その年の福をつかさどる神様「歳徳神(としとくじん)」がいるとされています。2017年の恵方は、「北北西やや北」です。
「恵方巻」は、節分に恵方を向いて食べると縁起が良いとされている太巻で、大阪の商人たちが商売繁盛と厄ばらいの意味合いを込めて始めたといわれますが、正確な起源は分かっていません。
ただし、大阪を中心に行われていた風習であることは確かであり、大阪では元来「丸かぶり寿司」「幸運巻寿司」と呼んでいました。「恵方巻」の名前が定着したのは、1998年、セブン-イレブンが全国発売の商品名に『丸かぶり寿司 恵方巻』を採用したことから、急速にその名が広まったといわれています。
「福を巻き込む」ことから巻寿司が食べられるようになったと考えられています。また、太巻を逃げた鬼が忘れていった金棒に見立て、鬼退治とする説もあります。
七福神にちなみ7種の具材を巻くのが望ましいとされていますが、実は、特定の具材の種類も数もなく、最近ではバリエーションに富んだ巻寿司を楽しむ方が増えています。
決まりがあるとすれば、その食べ方。ポイントは以下の2点です。
【恵方巻の食べ方】
①恵方を向いて食べる
歳徳神のいる方角に向かって事を行えば、何事も吉とされています。
②願い事をしながら、黙って一気に食べる
縁を切らないようにカットせず丸のまま食べます。言葉を発すると運が逃げてしまうので、食べ終わるまで話をしないようにしましょう。
── 節分の新しい風習として定着した感のある「恵方巻」ですが、太巻ではない、便乗(?)商品が登場しています。恵方巻ロールケーキやクレープロール、オムライスをロール状に巻いたもの、トルティーヤなど……。思考を凝らした商品が多いので探してみるのもおもしろいかもしれません。