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インフルエンザのようなウイルスが夏よりも冬の期間に流行するのは、一体なぜなのでしょうか?
まずはウイルスの、特徴を知ることから始めましょう。
人に有害となる細菌やウイルス。
細菌とウイルスは同じようなものに思われがちですが、実は性質が異なります。
細菌は自力で増殖する力がありますが、ウイルスは自力で増殖できないので、生きているものに取りつく特性があります。
ですので、細菌は台所のまな板など生命力のない物体にも存在している可能性がありますが、ウイルスは人間など生物の細胞の力を借りて存在しています。
病気でいうと、中耳炎や結核は細菌によるもの、インフルエンザや風疹はウイルスによるものです。
基本的に細菌には抗生物質が効くものの、ウイルスは自力で生きていないので抗生物質は効かないとされています。
インフルエンザが流行る時期を考えると低気温、低湿度の条件がウイルスの好む環境ともいわれてきましたが、単純にそうとも限らないようなのです。
実は、熱帯や亜熱帯の国では雨季にインフルエンザが流行します。ということは湿度が多くてもウイルスは存在しているということ。
そこで、ウイルスが好む環境として目安になるのが「絶対湿度」といわれています。
対するのが「相対湿度」です。これらの違いは……
絶対湿度…気温に関係なく、空気中に含まれる水蒸気の分量を示したもの
相対湿度…その気温に対して含むことができる最大の水分量のうち、どのくらいの水分が含まれているかを示したもの
例えば、気温30℃での湿度50%と気温15℃での湿度50%では、空気中に含まれる水分量はまったく違います。
これが、天気予報で使われるのは相対湿度になります。
もともとウイルスは水分を含んでいる物質のため、水分が少ない空気であればあるほど軽やかに浮き上がりやすくなり、人間の生活に近いところを飛んでいるのです。
しかし、普通の家庭には絶対湿度を計る機器などないのが一般的。それでも、目安として室内温度18℃~22℃、湿度50%~60%の状態が保てればインフルエンザ予防になるといわれています。
つまり、普通の温度計があればこの数値を目標にするとよいのです。
ただ、最近の家庭で使われている暖房器具の多くはエアコンや電気ストーブなど水蒸気をまったく発生させないものが主流になっています。火災などの心配はなく安全ではありますが、ウイルスにとっては心地よい環境になりがちなのです。
これらの暖房器具の場合は、洗濯物を部屋干ししたり、霧吹きを使ってみるなど、できる限り湿度が下がらないように心がけましょう。
―― 最近では、インフルエンザ警報付き温湿度計というものも市販されています。
熱中症も防げるとのことなので、興味のある方は使ってみてはいかがでしょうか。