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1911(明治44)年1月12日は、オーストリア=ハンガリー帝国の軍人・レルヒ少佐(1869年8月31日 - 1945年12月24日/テオドール・エードラー・フォン・レルヒ)が、新潟県で大尉ら14名のスキー専修員にスキーの指導を行った日です。それを記念して1月12日が「スキーの日」として制定されました。
レルヒ少佐は日本での本格的なスキー普及の第一歩となった人物ですが、少佐がなぜはるか日本にやって来たのか……、その理由は、日露戦争でロシア帝国に勝利した日本陸軍の研究のためとも言われています。さらに、レルヒ少佐が伝授したスキー技術は、杖を1本だけ使うスキー術だったそう。
現在、新潟県上越市高田の金谷山には、レルヒ少佐の業績を伝える「日本スキー発祥記念館」が設置されています。
ちなみに、“日本スキーの父”であるレルヒ少佐は、ソチオリンピックノルディック複合の清水礼留飛(しみずれるひ)選手の命名の由来として有名になりましたね。
スキー競技は、大別すると以下の3つの種目に分けられます。
①ノルディック競技
ノルディック(Nordic)は「北方の人たちの、北欧の」という意味を持ち、ノルウェーやスウェーデンでは、狩りや交通の手段としてスキーが発展しました。その歴史は古く、紀元前2500年ごろの壁画に板を履いて狩りをする人々が描かれています。
1800年代に入ると、スポーツやレジャーとして愛好されるようになり、1924年には国際スキー連盟が発足。同年開催された第一回冬季オリンピックで、クロスカントリー、ジャンプ、コンバインドという競技が行われました。
【クロスカントリー】
決められた距離をスキーで滑ったり、走ったりしてタイムを競います。自由に走れる「フリー」と左右の板を平行にして進む「クラシカル」の2種目があります。
【ジャンプ】
飛距離と飛形点による得点を競います。ジャンプ台の大きさによって「ノーマルヒル」と「ラージヒル」に種目がわかれます。
【コンバインド】
ノルディック複合と呼ばれ、クロスカントリーとジャンプを1日で行います。クロスカントリーのタイムを得点に換算し、ジャンプの飛距離点と合計します。
②アルペン競技
アルペン(Alpine)は「アルプス山脈の」という意味です。北欧で発展したスキーがヨーロッパに広まり、急斜面の続くアルプス山脈の地形を安全に降りるための滑降技術「アルペン」が生まれました。
1930年ごろから速さを競う競技会が行われるようになり、1936年に開催された第四回冬季オリンピックで正式種目となりました。
アルペン競技は、コースに旗門が設けられ、選手は旗門のある場所で必ずターンを行います。距離や設置される旗門の数によって以下の種目にわかれます。
【回転】
コースが短く、旗門が多いため、細かいターンを素早くこなす技術が求められる。
【大回転】
回転より旗門間の距離が長く、旗門の幅も広い。※回転と大回転は2本の合計タイムで競う。
【スーパー大回転】
滑降と大回転の中間に当たる競技。滑降のスピードと回転の技術(ターンやジャンプ)を要する。
【滑降】
ダウンヒルと呼ばれ、距離が長く、旗門が少ない。直線的なコースで時速100kmを超えるスピードが出る。
※上記2種目は、1本のタイムで競う。
【コンバインド】
滑降と回転の総合順位を競う。
③フリースタイル
1960年代以降アメリカで流行したのが、コブでできた急斜面を滑るモーグル、空中で回転技を披露するエアリアルといった競技のことを指します。
── ノルディックとアルペンの違いは、用具にもみられます。ノルディックスキーは、ブーツのつま先部分だけをスキー板に固定します。一方、アルペンスキーは、つま先とかかとの2点をスキー板に固定します。
ルールを知ると、テレビで鑑賞しているときの楽しみ方も倍増するはず。今回は基本的なルールをご紹介しましたので、この機会にぜひ覚えてくださいね!
参考:スポーツなんでも事典「スキー・スケート」(ほるぷ出版)