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圧倒的な存在感、重厚な演技…彼ほどスクリーン映えする、舞台映えのする俳優さんはそういないのではないでしょうか。映画・舞台・テレビドラマと様々なジャンルで活躍した日本を代表する名優でした。激しく、情熱的な演技の印象もありますが、筆者のイメージは静かな演技です。あの落ち着いた低い声が発するセリフは一言一言に重みがあり画面に奥行きを持たせてくれました。そこに存在するだけで画面が引き締まる…そんな俳優さんだったのではないでしょうか。
彼が世に出るきっかけとなったのは、俳優座の舞台役者として活躍していた時に出演した、1963年スタートのテレビ時代劇ドラマシリーズ「三匹の侍」です。当時視聴率40%以上を記録した大人気時代劇でその後1964年には映画化もされました。どちらも名匠・五社英雄監督の作品です(テレビ版は他の監督が演出した回もあります)。「三匹の侍」出演で舞台だけではなくお茶の間でもすっかり人気者に。その後はご存知の通り、亡くなる直前まで舞台・映画・テレビドラマで大活躍しました。
プライベートでは、彼はウォーキング好きでも知られていたそう。ウォーキングで汗をかくと気軽に公園の公衆トイレなどで着替え、またウォーキングを再開、特に人目を気にすることもなく、声を掛けられれば誰にでも気さくに返事をしてくれたといいます。また仕事の移動にも電車を利用したり。あれだけの大スターでありながら、どんどん街へ出かけていたのですね。だからこそ幅の広い演技で私達を楽しませてくれたのではないでしょうか。
彼の息子・平岳大さん。父親譲りの長身と優しそうな笑顔が印象的な俳優さんです。良くも悪くも昨今流行りの「二世ブーム」の、一過性におさまらないで、名優・平幹二朗を追随して欲しいと思います。
2014年の、高倉健さん・菅原文太さんに続き、昭和の日本映画・舞台・テレビを彩った名優達が消えていくのは悲しいですね。
今年は世界中のファンが悲しんだ、アーティストの訃報も。2016年1月10日に69歳で亡くなったデヴィッド・ボウイさんです。人気は亡くなるその日まで絶えることはなく、今現在も世界中のどこかで、彼の名曲は流れています。俳優としても多くの映画に出演しました。ビジュアルも独創的でした。いち早くメイクを取り入れ中性的な衣装を身につけステージに立ったデヴィッド・ボウイ。いわゆる「ビジュアル系」のパイオニアかもしれませんが、彼ほど美しいアーティストは後にもまだ登場してないような気がします…
2015年に制作された米映画「オデッセイ」。火星に取り残された宇宙飛行士が生きて地球に帰るべく孤軍奮闘するSF映画です。その中で地球帰還に向けたった一人広大な火星で奮闘する主人公と、彼を助けるために宇宙船で向かう仲間達の奮闘を交互に描く感動的なシーンがあります。そこで流れるのが彼の「スターマン」。場面とぴったりとあった曲が涙を誘うのです。奇しくもこの映画が日本で公開されたのは彼が亡くなった直後の2016年2月。映画館で涙した方も多いのでは、と思います。「空でスターマンが待っている」と歌ったデヴィッド・ボウイ。まさに今、彼がスターマンとなって私たちを空から眺めているのかもしれません。
そしてにはプリンスさんも57歳という若さで亡くなりました。様々なジャンルの音楽を取り入れミックスした彼の大ヒット曲達も色あせる事を知りません。彼も又、夜空の星になり、輝き続けているのではないでしょうか。
名優・平幹二朗さんの出演映画は数多ありますが、一本選ぶならやはり代表作「三匹の侍」ではないでしょうか。テレビ版もDVDが出ているようです。
プリンスさん出演映画といえば大ヒットした名曲を冠した「パープルレイン」。
また演技にも定評のあったデヴィッド・ボウイさんの出演映画でオススメなのが「ラビリンス」です。彼の中性的で幻想的なキャラクターと映画の中のキャラクターが重なり魅力的な一本となっています。
彼らの映画を観ると、その存在感と類稀なる才能を目の当たりにし、その死が惜しまれます。
星が瞬く冬の夜。暖かい部屋で彼らの思い出に浸ってみるのはいかがですか。