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皆さんはクリスマスケーキをどこで買いますか?
今ではスーパーやコンビニでも気軽に買うことができますが、一方で、わざわざ遠方の有名パティシエのお店に赴き、1ヶ月以上も前から予約して、“限定の”“特別な”ケーキを買う人が最近はとても増えているそう。
もちろん、パティシエ達の渾身のアイデアと技が詰まったスペシャルケーキは、見た目に美しく、食べて美味しく、クリスマスの思い出を素敵に彩ってくれることでしょう。
近年クリスマスケーキは様々な進化を遂げており、昔ながらの円盤型のショートケーキや、チョコレートケーキだけでなく、四角柱型やドーム型、切り株型のもの、ツリーをイメージした円錐型のもの、さらに球体やサンタクロースのソリをイメージしたものなど本当に多種多様なものを目にするようになりました。
見た目だけでは味を想像できないものも多く、一口食べた時の驚きも楽しみのひとつになっています。
これほどまでに日本に浸透しているクリスマスケーキですが、ちょっと待って!
キリスト教徒がそう多くない日本で、何故クリスマスケーキがこんなに盛り上がるのでしょうか?
クリスマスケーキの起源からひもといていきましょう。
19世紀フランスで誕生したクリスマスケーキ。皆さんご存じの「ブッシュ・ド・ノエル」です。
ブッシュは「丸太」、ノエルは「クリスマス」なので「クリスマスの丸太(=薪)」という意味。ロールケーキの表面をクリームで覆い、フォークなどで木の表面に似せた模様をつけたものが一般的です。
ヨーロッパでは昔、冬至を祝う習わしとして大きな薪を焼いたことから、クリスマスを「ブッシュ・ド・ノエル」で祝うようになったそうです。
実は、クリスマスケーキは国によって違います。「ブッシュ・ド・ノエル」はフランス、隣国ドイツは「シュトーレン」というドライフルーツを生地に練り込んで焼いたケーキでクリスマスを祝います。
シュトーレンは「柱、棒」という意味で、キリスト誕生を切り株から生えてくるキノコになぞらえて、切り株を模したシュトーレンで生命誕生の神秘を称えたという説があります。12月に入ると、このシュトーレンを少しずつスライスして食べながら、クリスマス当日を心待ちにするのです。
また、イギリスでは「クリスマスプディング」が伝統的なクリスマスケーキ。
ドライフルーツがぎっっしり入ったパウンドケーキのようなもので、1ヶ月程度熟成させることで中のフルーツが発酵し、より味わい深くなるのだそうです。
さらにイタリアでは「パネトーネ」があります。こちらも刻んだドライフルーツを混ぜ込んで焼くブリオッシュ生地のケーキ……というよりはパンに近いものです。
さて、日本でクリスマスケーキが食べられるようになったのはいつ頃でしょう?
皆さんご存じの「不二家」の創業者「藤井林右衛門」が、大正元(1912)年にアメリカで出会った「ストロベリー・ショートケイク」を、日本人好みのふわふわのスポンジケーキにアレンジしたものが、日本のクリスマスケーキの元祖です。
そして大正11(1922)年に、不二家はクリスマスケーキとして苺のショートケーキを販売し始めます。
当時はバタークリームを使っていましたが、冷蔵庫の普及とともに生クリームが使われるようになり、不二家の店舗が拡大するにつれクリスマスケーキも日本全国へ広まっていきました。
真っ白な生クリームと真っ赤な苺のコントラストは、日本人が古くから“めでたいもの”としてイメージする紅白。クリスマスの象徴である雪と、サンタクロースのイメージとも合致して、文化的にも違和感なく受け入れられたのかもしれませんね。
家族みんなで大きなケーキを切り分けて……となると、ひとり暮らしの方や家族の人数が少ないご家庭ではなかなか買う気になれないかもしれません。しかし、そんな方にもうれしい1人用、2人用の小さなクリスマスケーキも、最近は大充実しているんです!
年に一度の“皆がケーキを食べる日”クリスマス。ぜひ、好みのクリスマスケーキを見つけてみてくださいね!