トルシエ氏、W杯8強入りへ外国人監督起用を提言 森保政権評価も「長く続くと怠けるだけ」
元サッカー日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(71)が5日、都内でトークイベント「『絶対に負けられない大討論会』~ROAD TO 2030 日本サッカー応援SP~」に出演した。
この日はサッカー解説者のセルジオ越後氏(81)松木安太郎氏(68)元日本代表鈴木啓太氏(45)らが、2030年のサッカーW杯(ワールドカップ)に向け、日本サッカーについて徹底討論。「16強の壁」「日本代表監督論」をテーマに、激論を交わした。
自身が監督を務めていた98年から03年の日本サッカー界と比較し、「この30年間で日本サッカーは進化、発展している。90年代にほとんどいなかった海外組も今では150人もいる。親善試合で強豪国に勝てるようになって、森保監督のサッカーは世界のトップ15と言える」と評価した。一方で、「海外組というけど、久保建英もCLではスタメンじゃない。JFAがものすごくいい育成をしているのは、150人の海外組を生んだ結果で分かる。でもそこから先の壁が高い。強豪中の強豪でスタメンを張る選手は0」と欧州の強豪クラブの主力が少ないことを指摘した。
続けて「W杯のグループリーグと決勝トーナメントではメンタリティーが親善試合と本気の勝負ぐらい違う。強豪国は決勝トーナメントでギアを上げてくる。それがまだ視野に入っていない」と、日本が16強の壁を越えられない理由を分析し、「不思議なことに、(ドーハの悲劇の)イラク戦も、(18年ロシアW杯の)ベルギー戦も、この前のブラジル戦も、同じような失点をして負けている。守備の文化の問題というより、流れの読み方や判断というメンタリティーの問題」と語った。
今夏の北中米W杯のブラジル戦も「前半は良かった。30年間の日本サッカーの集大成だった。でも、半分しかできていない。残りの45分はガラッと変わってしまった。臆せずにブラジルに向かったのは感動したけど、いくら前半は完璧でも絶対に後半はうまくいかないから、F1のようにタイヤを交換しないといけない。親善試合ではベンチから出てきた選手にハングリー精神があったから逆転できたけど、W杯では途中から出てきた選手が守りに入っていた」と後半の戦い方を指摘。「日本は結局決勝トーナメントでは1度も勝っていない。グループリーグで賢く勝ち点を重ねるノウハウはあるけど、決勝トーナメントのチームの大変さは誰も想像していない。W杯で親善試合のようなメンタルの強さをいかに引き出せるか、戦い方をもっと教育しないといけない」と語った。
森保監督の半年間の続投には「コーチや監督全員がお互いを知っていて、あうんの呼吸で進めていくという、日本のやり方で18年から8年間やってきた。それは評価できるけど、それが長く続くと怠けるだけ。人間はもっと危機感を持たないと進化できない」と厳しく指摘。「8年間のサイクルが終わったので、快適な輪を弾けさせないといけない。弾けさせられるのは外国人監督だと思います」と私見を語った。
日本代表監督には大岩剛氏の就任が決定しているが、「大岩監督は現政権の継続。大岩は私の選手だったし立派なコーチで、彼の仕事は評価しています。ただ、戦術の中身が変わっても人間が変わっても、16強の壁の向こうで生きてきた監督でないと、壁の向こうの空気は分からない」と、より経験豊富な外国人監督の起用を提言していた。