【ヤクルト】山田哲人が原点回帰で1カ月ぶり本塁打 池山2軍監督が持つ球団最多304本に王手
<日本生命セ・パ交流戦:ロッテ0-5ヤクルト>◇14日◇ZOZOマリン
復調の光が差し込んできた。ヤクルト山田哲人内野手(32)が1カ月ぶりの本塁打を放った。6回に4号ソロを左翼席に運び、チームの連敗を4で止めた。5月16日DeNA戦以来の1発は通算303号。池山2軍監督が持つ通算304本の球団最多記録に残り1本と迫った。前日13日ロッテ戦でも3安打猛打賞をマークしており、少しずつ背番号1のバットに快音が戻ってきた。
◇ ◇ ◇
左足を高く上げ、山田が強くボールを引っ張りこんだ。両手に残る感触が久々に心地よかった。6回2死、ロッテ菊地の高め直球を捉えた。2回2死の三ゴロ、5回無死一塁の遊ゴロから感覚を微調整し「思い切って打ちにいった。1打席目、2打席目はちょっと違うなと思いましたが、3打席目はしっかり修正できた」と左翼席に運んだ。5月16日DeNA戦以来、約1カ月ぶりのアーチだった。
復帰した師の激励を結果に結びつけた。体調不良で約1カ月休養し、13日ロッテ戦からベンチに帰ってきた杉村打撃コーチ兼スコアラーから「やるしかない。チームもこんな状態だから、打ちまくれ」と鼓舞された。プロ3年目から指導を受け、才能開花を導いてくれた1人だ。山田は「体調不良だったので心配ですけど」と案じつつ、打ちまくることで期待に応えた。約1カ月ぶりの猛打賞だった13日同戦に続き、この日も快音。池山2軍監督が持つ通算304本塁打の球団最多記録に王手を懸けた。
5月下旬、足を高く上げる打法を一時封印した。履正社(大阪)時代のすり足打法にトライしたが、簡単にはいかない。試行錯誤の中で、力強く飛ばすには足を上げるフォームが合っていると再確認した。代名詞のスタイルに回帰。「本当に結果を残したい。その気持ちだけは忘れないように常に持っている」。貪欲に結果を追求し、復調のヒントを探りながら、感覚がかみ合ってきた。
燕の大黒柱として戦い続ける。高津監督は「(山田と)チームにおける自分の立ち位置、今の状態などいろいろな話をした。それがよかったかどうかは別だが、やっぱり頑張っている姿はチームを引っ張っていく大きな存在」と言った。まだチームは借金20の最下位に沈む。背番号1の輝きは、チーム逆襲の力になる。【上田悠太】