長谷部誠コーチが万博でイベント参加 2チーム帯同の指導者1年目に「やりがいしかない」
元日本代表MFで、日本代表とフランクフルトU-21で指導する長谷部誠コーチ(41)が11日、大阪・関西万博のドイツパビリオンで行われたトークイベントに登場した。
開場前から多くのファンが行列を作り、立ち見客も出る盛況の中で、ドイツ・ブンデスリーガで戦った選手時代や、自身の考え方などについて1時間弱語り尽くした。
大歓声を受けて登場した長谷部コーチは「こんなに多くの方に集まっていただき、ありがとうございます。皆さんと一緒に楽しみたいと思います」とあいさつ。直前まで降っていた雨がやんだことに「かなりの晴れ男なんで」と話すと、会場から大きな拍手がわき起こった。
08年にドイツに渡った際には、直前までイタリアに移籍するつもりだったとし、ほとんど準備をしないままの移籍だったことを明かした。
現在は欧州へ移籍する選手が増えているが、そういった選手へのアドバイスを問われた際には「海外に行くというのは、言葉や食事、本当にいろんな大変なことが多い。結局そういうところで歯を食いしばって踏ん張れるかで、次の景色が見られるかどうかになる」と話した。
観客の中から選ばれたファンからの質問に答えるコーナーでは、うまくいかない時に大事にしている言葉を問われ「難しい状況、困難は辛いこともあるが、クリアした先の自分が成長している、もう一回り大きくなっている自分が見えると思うので、それを想像してやると、困難や壁が自分にとっての栄養になる」と回答。「日本代表監督のオファーがあればお願いします」というお願いには笑顔で応えた。
長谷部コーチは、文化を象徴するドイツパビリオンのマスコット「カルチャーフレンズ」にベートーベン、アインシュタイン、赤ずきんちゃんとともに選出されており、イベントには自身を模した「カルチャーフレンズ・長谷部」が登場。「これ言っていいんですかね?全く似てないんですよ(笑い)」と突っ込みながらも「なんで僕なんだろう?というのはあるんですけど、選んでいただいて光栄」とツーショット撮影にも応じた。
イベント後にはメディアの取材に応じ、指導者1年目を振り返って「全てがうまくいかないことだらけ。想像よりやることは多くて深い。久しぶりにうまくいかないことが出てきて、それが新鮮。またこういう経験ができているのはうれしい」とコメントした。
来季も継続するという日本代表とフランクフルトU-21の2チーム同行については「こんなに恵まれた環境はない。大変だと思うことはないし、やりがいしかない」と話し、充実感をみなぎらせた。【永田淳】