DeNA対阪神 ファンの声援に応える大山(撮影・井上学)

<DeNA2-3阪神>◇22日◇横浜

待ってました! 阪神大山悠輔内野手(30)が今季1号の決勝ソロを放った。2-2の延長10回。ハマの虎党の声援に後押しされ左翼席へアーチを描いた。開幕から85打席目の本塁打は自身最遅。頼れる男がここぞの場面でチームを救った。チームは今季最長タイの3連勝でカード勝ち越し。今季最多の貯金3となった。ビジターでは10試合で9勝1敗と敵地で虎が猛威を振るう。

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ベンチもファンも待ち望んでいた。不動の5番大山が待望のアーチを横浜スタジアムにかけた。延長10回、1死走者なし。マウンドには昨季まで13打数無安打の山崎と相対した。カウント3ボール2ストライクからの6球目外角低めのストレートを粉砕。打球は左翼スタンドへ一直線に飛び込んだ。昨季の開幕から75打席目よりも遅い85打席目の勝ち越し1号ソロ。長いトンネルを抜けた1発が勝利を導いた。

「何とか自分がチームを助ける番になりたかった。その一打が出て良かった。そういう意味ではすごく良かったなと思います」

17日ヤクルト戦(神宮)も延長11回の熱戦だった。しかし、大山は2度の得点圏機を含め6打席無安打。泥沼にはまっていた。この日は、7本塁打18打点でチーム個人成績トップの4番佐藤輝が4打数無安打、3三振。後輩たちが苦しむ時こそ頼りになる。救世主にビジターながら、球場に響いた「大山コール」がスタンドからふりそぞぐ。忘れかけた快感を身を委ねた。

昨季終了後に国内フリーエージェント(FA)権を行使したが、悩み抜いた末に残留を決断。藤川新監督が打ち立てた5番構想を引き受けた。春季キャンプから「(佐藤)輝明だったり森下が前を打つことも聞いている。その2人に自分のやりたいように、伸び伸びやってもらうためにも、僕が5番でしっかりやらないといけない。より一層いい意味でのプレッシャーも感じている」と責任を背負った。後輩たちへ最大のフォローを体現。「しっかり準備していたものが出せた。準備の大切さを改めて感じた」。信念を再確認させてくれた20試合目になった。

チームは今季2度目の3連勝。敵地連勝でカード勝ち越しも決めた。ビジターでは9勝1敗。貯金も今季最多「3」と積み上がった。首位広島とのゲーム差1の2位を維持。「力になれて良かった」。頼りになる新5番が虎のクリーンアップで輝きを放った。【伊東大介】

▼阪神大山が延長10回に決勝本塁打。大山が延長回に本塁打を打ったのは23年9月18日のDeNA戦(甲子園)以来、2度目。決勝弾は初めて。また、85打席目での今季初本塁打で、昨季の75打席目を超えて自身最も遅い「1号本塁打」だった。なお、最も早い1号弾は18年の2打席目。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】待ってました!大山悠輔トンネル抜けた「チームを助ける番に」延長10回今季1号決勝弾