日本ハム対西武 送球が当たり負傷した顔を隠して守備につく野村(撮影・黒川智章)

<日本ハム2-7西武>◇13日◇エスコンフィールド

真の4番に昇格だ。日本ハム野村佑希内野手(24)が3回2死一、三塁で右前に3試合ぶりの適時打を放った。チーム14試合目(1試合欠場)で10打点に達し、新庄剛志監督(53)は約束していた15試合を待たずに、今後も4番として起用していくことを明言した。4回の守備で顔面を負傷後は患部をマスクで覆った“マスク・ド・ジェイ”としてフル出場。チームは2カードぶりの負け越しも、軸となる4番を固め、再進撃の流れをつくっていく。

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野村が4番の自覚を打席で示した。3回2死一、三塁、カウント1-2と追い込まれてから5球連続ファウルで粘り、渡辺の150キロ直球を捉えた。序盤に3点リードされた展開に「すごく集中できていました。簡単に流れを渡してはいけないと思って打ちました」と、今季10打点目を振り返った。

試合前の新庄監督の助言も、風格ある打撃のヒントになった。指揮官は「タイミングを早く(とって)、ゆっくりボールを線で描いてほしい、長くボールを見てほしい。悪くなると点で打ち気味になるので『ちょっとゆった~り、ゆった~り持ってきて打ちにいこうよ』と伝えました」。悠然と構え、粘りまくって期待に応えた。

責任感あふれる一打で“昇格”が決まった。「開幕4番」に指名した新庄監督は最初の15試合で、その後の起用を判断するとしていた。「4番として15試合目(実際はチーム14試合目)できっちり打点を稼いだっていうところは、大したもの。これからも野村君には4番として打席に立ってもらいます」と明言した。

4回の一塁守備では、遊撃水野からのワンバウンド送球が顔面を直撃。出血したが、治療後も出場を続けた。5回にはネックウオーマーで口元を隠し、6回途中から黒マスクでプレー。新庄監督に「マスクしていいんですか」と聞くと、「していいやろ。怒られたら取りゃいいよ」と返され、マスクマンとして最後までグラウンドに立った。試合後は「(患部は)大丈夫です」。次戦からは真の4番として、りりしい素顔をさらし、打席に立ち続ける。【永野高輔】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】野村佑希、適時打で真の4番昇格 送球顔面直撃出血も「大丈夫」マスクマンでプレー