【西武】野村大樹が昇格即安打で「開幕スタメン取りたい」捕手挑戦で一気に広がる24歳の可能性
<オープン戦:西武6-0広島>◇18日◇ベルーナドーム
ペナント開幕が「3・28」に迫り、西武のサバイバルも佳境に入りつつある。
この日1軍合流したばかりの3人が、さっそく安打を打った。野村大樹内野手(24)もその1人だ。
6回に代打でフルカウントから快音を鳴らして安打にすると、8回にも犠飛。年明け後初の1軍ながら「あんまり緊張することもなく」とすがすがしい。
「ファームの開幕打席のほうが緊張したんで。あっちで打席に立ってて良かったと思いました」
冗談交じりで笑った。ソフトバンクから移籍し2年目。春季キャンプは2軍スタートで、そのまま2軍で完走。1軍南郷キャンプで二塁手争いが繰り広げられる中、昨季二塁も守った自分は呼ばれない。
「いやぁ、でも、やるべきことやるだけですから。(メンバー振り分けは)首脳陣が考えることなので、僕はやれることをいつでも精いっぱいやるだけで」
とはいえ現状維持では結局、数字も変わらない。挑戦が始まった。この1軍には内野グラブと一塁ミットと、キャッチャーミットを持ってきている。
9日のファーム教育リーグ・ヤクルト戦(カーミニーク)ですでにマスクもかぶり、森脇と宮沢の球を受けた。「小中高と捕手やってたので。試合でも捕るには取れました」。
首脳陣から打診されたのは試合出場の3日ほど前だったという。「他の人よりは感覚あると思うので」。野球センスの高さを実証してみせた。
捕手でも出場する可能性があること-。野村大はどう捉えるか。
「僕がたとえば第3捕手の立場で、なおかつ他のポジションでスタメンで出られるのであれば、1枠分、2枠分、僕がそこを1人で担えると思いますし、その分、打か守備か走塁か、スペシャリストの人をベンチに置けるので。それはチームにとって絶対にプラスになると思うので」
18日の試合後には柘植と育成のモンテルが2軍再調整となった。これで1軍野手は17人。離脱中の源田やセデーニョが戻れば、開幕まで3人前後が1軍を離れることになりそうだ。
だから野村大も気は抜けない。「今日こういう結果が出て、明日からも頑張って開幕スタメン取りたいなと思います」、むしろ、ここから一気にまくる。【金子真仁】