クラーク仙台・海野輝夏、高1捕手転向「フルタの方程式」取り入れ全国V、ジャイアンツ女子入団へ
女子野球の選手たちを紹介する。クラーク仙台(宮城)の内田梨絵瑠(りえる)外野手、海野輝夏(てるか)捕手(ともに3年)は今春から読売ジャイアンツ女子チームに入団。23年のユース大会では同校初となる全国制覇を果たし、高校野球女子選抜にも選ばれた。ともに日体大に進学し、学業と野球の「二刀流」に挑む。創部3年目の仙台大女子硬式野球部は、8月の全日本大学女子野球選手権で初の全国制覇を狙う。【取材・構成=木村有優】
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努力の結晶だった。海野は中学までは内野手だった。高校入学後、同学年に捕手がいなかったため、転向を提案された。内野守備に自信がなく「自分が活躍できる場所があるなら」と挑戦を決意。苦労は絶えなかった。「上達する以前に、ボールを捕ることで精いっぱいでした」。1年時は捕球や送球など、基本練習をひたすら繰り返した。
グラウンドを離れても努力を欠かさなかった。プロ野球や侍ジャパンの試合を見て、最高峰の捕手から配球技術などを吸収。「トップレベルの捕手はグラウンドでの立ち振る舞いだったり、投手に安心して投げてもらえるような気遣いが見えました」と学びは多かった。YouTubeも活用。特に参考にしたのは、元ヤクルト古田敦也氏の「フルタの方程式」だ。世代を超えたレジェンドの技術も取り入れた。
転向から、わずか1年4カ月で全国優勝捕手になった。そして、ジャイアンツ女子への入団をつかんだ。将来の夢は海外で野球指導に携わること。「日本では野球は当たり前ですが、海外の貧しい地域の方たちに野球の楽しさを教えて、生きがいや元気を与えたいです」と思い描いた。