新天地での飛躍を誓ったクラーク仙台の内田(左)と海野(撮影・木村有優)

女子野球の選手たちを紹介する。クラーク仙台(宮城)の内田梨絵瑠(りえる)外野手、海野輝夏(てるか)捕手(ともに3年)は今春から読売ジャイアンツ女子チームに入団。23年のユース大会では同校初となる全国制覇を果たし、高校野球女子選抜にも選ばれた。ともに日体大に進学し、学業と野球の「二刀流」に挑む。創部3年目の仙台大女子硬式野球部は、8月の全日本大学女子野球選手権で初の全国制覇を狙う。【取材・構成=木村有優】

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練習帰りのバスの中だった。内田のスマホにジャイアンツ女子からメールが届いた。入団内定を告げる「合格」の文字。「跳びはねるくらいうれしかったです」と、同様に内定通知を受け取った海野と喜び合った。当初はポジション枠の人数制限もあり、入団は絶望的だった。内田は「正直、厳しいと言われていたので『落ちても仕方がない』という気持ちだったので、その分、すごくうれしかったです」。わずかな可能性を信じた。

高校野球の幕切れは苦かった。昨年7月、3年生にとって最後となる選手権大会は準々決勝で履正社(大阪)と激突。7回までに決着がつかず、延長タイブレークにもつれこんだ。9回表に押し出しで1点勝ち越し。なお2死満塁で内田に打席が回ったが、三振に倒れた。その裏にサヨナラ負けした。「あの場面で打って、追加点を取れていれば勝てたかもしれないので、本当に悔しかったです」と今も悔いは消えない。

この思いは新天地へ持って行く。課題は走塁だ。「相手の隙をつく走塁や打球判断を良くして、どんどんチャンスメークできる選手になって、日本一へ貢献したいです」と、自らの力で道を切り開くつもりだ。将来の夢は高校野球の指導者。日体大で教員免許取得にも励む。「日本一」も「夢」もかなえるため、内田は進み続ける。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 クラーク仙台・内田梨絵瑠、絶望的からジャイアンツ女子「合格」日本一へ、夢へ「二刀流」挑む