室内練習場へ向かうソフトバンク小久保監督(撮影・岩下翔太)

ソフトバンクの投手陣にアクシデントが発生した。宮崎春季キャンプ第3クール2日目の12日、開幕ローテに内定していたカーター・スチュワート投手(25)が左腹直筋を痛めて離脱した。昨季に自己最多9勝を挙げ、今季は「先発3本柱」として期待されている剛腕。開幕までに間に合わない可能性もあり、小久保裕紀監督(53)は焦らずに完治を最優先させる方針を示した。

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氷雨降るキャンプ地に剛腕スチュワートの姿はなかった。宮崎春季キャンプも折り返しというところで無念の離脱となった。前日11日に左腹直筋を痛め、予定していたブルペン投球を急きょ回避。一足早い帰福を余儀なくされ、福岡・筑後市のファーム施設でのリハビリ組へ移管された。

予期せぬアクシデントではあるが、小久保監督は冷静だった。「1回検査して。(開幕までに)間に合えば間に合うのがいい」とした上で「無理して間に合わせて、残り半年を棒に振るよりも、1カ月遅れで(シーズンの)残りを完走してくれればいい」とした。最悪開幕アウトも覚悟。患部は過去にも故障歴があり、古傷の完治を最優先させていく方針を示した。

スチュワートは昨季自己最多の9勝(4敗)をマーク。23年の3勝から大きくステップアップし、先発の一角として4年ぶりリーグ優勝にも貢献した。昨年11月には小久保監督が開幕投手の有原、モイネロとともに「先発3本柱」に指名し、早々に開幕ローテーション入りを決めていた。現状で大関、上沢もローテ当確。順調に5枠まで固まるも、スチュワートが開幕までに間に合わないケースも当然あり、代役候補を探し出す必要も出てくる。

指揮官の構想では先発最大7枚、最低6枚は用意する方針で、残り1、2枠から2、3枠へと増える可能性もある。先発転向2年目の大津、11日のライブBPで好投した松本晴、前田純、ベテラン東浜らがローテの座を虎視眈々(たんたん)と狙い、先発候補の選手にとっては大きなチャンスと言える。

首脳陣は今キャンプ中の実戦を「調整」と位置づけているが、26日から始まる球春みやざきベースボールゲームズ4試合については「(結果、内容を)見させてもらいます」と倉野1軍投手チーフコーチは予告する。剛腕スチュワートの離脱で、先発枠をかけたサバイバルがさらに激化しそうだ。【佐藤究】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】スチュワートにアクシデント 古傷で離脱「無理せず」監督は開幕より完治最優先