【西武】氷点下に凍えた中村剛也24年目のキャンプイン 目標は「チームのために。あとはまぁ…」
沖縄の20度、宮崎の8度に対し、12日朝9時の高知の気温は4度だった。西武の中村剛也内野手(41)は「寒い…」とネックウオーマーで口元を隠した。
栗山とともに一定の自己調整を任せられ、高知・春野での2、3軍キャンプに参加している。現在は第3クールで、第2クールには寒波に襲われた。
「めっちゃ寒かった。1クールまるまる、まじでしんどかった。(気温が)マイナスですよ、マイナス」
雪もちらついたという。この時期の高知は4年連続。「(1軍と)何も変わらない。(周囲の)人が違うだけ」とマイペースを貫くおかわり君でさえ、寒さには身を縮める。
現役最多の通算478本塁打を誇り、今季でプロ24年目を迎える。この年にもなると数字の目標設定はなかなかしないもの。「数字の目標っすか? うーん、ないんすよね」と首をひねりながら「ないんですよ」と繰り返した。
このオフに西口文也新監督(52)が就任したものの「自分のプレースタイルは変わらないので」と、淡々とシーズンに備えている。寒いけれど。
昨季は限られた出場機会で7本塁打したものの、打率は2割を切った。「コンディションが良くなかったことが一番の原因ですかね。そのまんま成績に出ちゃった」という。
万全ならばまだまだやれる自信はあるし、昨秋の契約更改では「その自信がなければ辞めてると思うんで」とも言っている。
ケガしないことが大前提だ。「第1クールではぼちぼち振ってたんですよ。第2が寒くて。昨日は300球くらい打ちましたけどね」。自分の身体を見つめながら、じわじわ上げる。
数字の目標は掲げないし考えてもいないけれど「チームのために」とハッキリ言う。そして「あとはまぁ、自分のためにやる、っていう」と続ける。
通算本塁打数はNPB歴代10位。希代のスラッガーは今年も流されない。寒いものは寒い。打てる球を打つ。なるようになる。
「中村さん、サイン下さい!!」
ファンから声がかかると、自身のひじなど3~4カ所を触るブロックサインで応じていた。【金子真仁】