キャンプ初日、キャッチボールをするドジャース佐々木(撮影・菅敏)

【グレンデール(米アリゾナ州)11日(日本時間12日)=四竈衛】ドジャースの「侍3兄弟」が、同地でのキャンプ初日にようやく顔をそろえた。到着が遅れていた1年目の佐々木朗希投手(23)が、ようやくチームに合流。全体練習は行われず、大谷翔平投手(30)、山本由伸投手(26)との「スリーショット」はお預けとなったものの、ロッカー室は3人の横並び。ワールドシリーズ連覇へ向けて、侍3人の新たな戦いがスタートした。

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アリゾナ入りが遅れていた佐々木が、キャンプ初日にようやく間に合った。強い風が吹きつけるコンディションだったものの、じっとしているつもりはなかった。他の同僚が引き上げた午後2時前。静まりかえったグラウンドに、佐々木は足を踏み入れた。上半身は青いTシャツ、ボトムは白いユニホーム姿で、黙々とアップを開始した。その後は、プライアー投手コーチら多くのド軍関係者が見つめる中、最長約30メートルの距離で約20分間のキャッチボールを行った。最後はスタッフが投球フォームを複数の地点から撮影する中、意図的に強度を上げてフィニッシュ。初日のお披露目投球では、すべて速球を投げ込んだ。

ド軍関係者によると、キャンプイン当日入りとなったのは、就労ビザの取得に時間を要したためで、一時は途中合流の可能性を心配する声も聞かれた。合流遅れの影響か、到着後の佐々木は午前中、屋内練習場を視察したほか、クラブハウス内でフィジカルチェックを受けたものとみられる。

キャンプ初日のこの日、バッテリー組は、ブルペン投球以外、具体的な全体メニューが設定されておらず、基本的には個人練習となった。そのため、グラウンド上では、大谷、山本との初の「スリーショット」は実現しなかった。それでも、ロッカールームは、仲良く横並び。向かって右から、大谷、山本、佐々木となっている。山本の帰宅直前には、3人そろって笑顔で談笑する光景も見られた。言語、文化とも異なり、戸惑いの多い異国の環境とはいえ、2人の「兄貴分」の存在は、「三男坊」にとっても心強い。

今後の投球プログラムは不明だが、佐々木は12日(同13日)の練習後、取材に応じる予定。マイナー契約でもあり、入団会見では「まずはメジャーのステージでプレーするために頑張るだけ」と決意を口にした。立場上は招待選手であり、新人であることに変わりはないものの、結果を求められている状況も承知の上。「プロスペクト(期待の若手選手)」の枠組みでは計れないほど、佐々木の能力、注目度とも、突き抜けていることは間違いない。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 到着遅れていた佐々木朗希、キャンプ初日に合流「侍3兄弟」3Sお預けもロッカーは仲良く横並び