7日、ブルペンで投球練習する湯浅

不屈の魂でマウンドに帰ってくる。国指定難病の「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」からの復活を目指す阪神湯浅京己投手(25)が22日の練習試合・韓国ハンファ戦(具志川)で7カ月ぶりに実戦復帰する方針であることが11日、分かった。まずは具志川キャンプで第3クール中に行うシート打撃に登板し、問題がなければ実戦マウンドに向かう予定。22年の最優秀中継ぎ右腕が、完全復活への大きな1歩を歩み出す。

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苦難を乗り越え、湯浅が帰ってくる。昨年8月に国指定の難病である「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」の手術を発表してから約7カ月。リハビリを乗り越え、22日の練習試合・韓国ハンファ戦で実戦復帰に向かう方針となった。

天候の心配はあるが、まずは第3クール中に具志川で行われるシート打撃に登板予定。最終確認を行った後、問題がなければ昨年7月10日の2軍くふうハヤテ戦以来となる登板に臨む。同年11月の契約更改では「(春の)キャンプでチームメニューに合流して実戦復帰できれば。開幕1軍を目指して頑張りたい」と宣言。復活の先に開幕1軍も見据える中、キャンプ中に有言実行の復帰戦となりそうだ。

過去にはDeNA三嶋や中日福、ロッテ岩下らが経験した難病。先輩たちから助言も受けながら、工夫を凝らしてリハビリを進めてきた。時にサッカーボールを使ったリフティング、時に「出稽古」で行うボルダリングトレーニングなどにも挑戦。体にあらゆる刺激を加える「神経伝達系」を意識した練習を取り入れ、復帰を目指してきた。

取り組みは奏功し、昨年11月には捕手を座らせたブルペン投球を再開。今月1日には、目標にしてきた全体練習への合流も果たした。具志川キャンプでもブルペン投球を重ね、この日もフォークなどの変化球を交えて30球。球団関係者も「極めて順調」と話すペースで段階を進めてきた。

22年には59試合に登板し、防御率1・09、45ホールドポイントで最優秀中継ぎのタイトルを獲得。23年3月のWBCでは侍ジャパンに選出され、世界一にも貢献した。輝かしい実績を重ねながら、昨季は4年ぶりに1軍登板ゼロ。契約更改の席では「昨年も今年も全然力になれていないので、来年こそチームの力になれるように」と語っていた。藤川監督からも「彼の持っているパワーを見守る」とエールを寄せられていた25歳。不屈の魂で病を乗り越える。

<湯浅の経過>

◆24年7月10日 ウエスタン・リーグ、くふうハヤテ戦(鳴尾浜)で最後の実戦登板。

◆8月25日 「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術」を無事に終え、福島県内の病院を退院したことを発表。

◆8月27日 鳴尾浜でのリハビリをスタート。

◆9月4日 軽めのランニングと室内でのネットスローを再開。

◆9月16日 屋内で2週間続けたネットスローを経て、グラウンドでのキャッチボールを再開。約15メートルの距離で30球を投じた。

◆11月20日 契約更改交渉に臨み、1000万円ダウンの年俸3700万円でサイン。(金額は推定)

◆11月30日 ブルペンでの捕手を座らせた本格投球を再開。

◆12月3日 捕手を座らせて2度目の本格ブルペン投球。8割の力感で直球20球を投じた。

◆25年2月1日 具志川キャンプ初日から全体練習に合流。いきなりブルペン入りして30球を投じた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】湯浅京己「2・22」韓国ハンファ戦で7カ月ぶり実戦復帰へ シート打撃登板で最終確認