インタビューに答える阪神佐藤輝(撮影・藤尾明華)

<一問一答:1>

阪神佐藤輝明内野手(25)が日刊スポーツの取材に応じ、打率アップへの覚悟を明かした。昨季の打率は2割6分8厘。月間打率3割も超えた期間もあったが、開幕直後に不振に陥るなど好不調の波があった。今季の目標は2割8分に設定。3番先発出場100試合以上で打率2割8分以上なら、19年糸井以来。球団生え抜きなら6人目となる成績だ。力強さはそのままにアベレージを求め、安定感のある3番打者を目指す。【取材・構成=波部俊之介】

   ◇   ◇   ◇

-今春キャンプの手応えは

「体はしっかり動いていると思います。やっぱりノックで足を動かす時とか、走るのも今のところはいいんじゃないかなと思います」

-藤川監督は3番構想を明かした。自身が描いてる3番像や役割は

「正直、自分がやることはそんなに変わらないというか。しっかり塁に出て長打を打つというところの意味では、そんなに変わらないなっていう感覚です。特にめちゃくちゃ意識しているとかはないです。相手の攻めとかは多少変わってくると思いますけど。僕が3番だからといって、こうするとかは、あまりないと思います」

-1番近本が出塁して2番中野が送れば1死二塁。引っ張りを意識するなどの変化は

「特にね、もう二塁にいるんだったらヒットを打てば帰ってくることが出来る。状況に応じて引っ張りにいくとかはありますけど、3番だからこうというのはあまりないですね」

-この打順だから打ちやすいというのはあまりない

「まあでも打席の入りやすさとかは3番と(昨季までの)5番では違うと思います。自分がやろうとすることに変わりはないと思います。僕が何かを変えることはないですね」

-昨季は得点圏打率3割2分2厘。チャンスではスイッチが入る

「そうですね。やっぱりどうしても1発というよりは、確実にヒットが欲しい場面もあるので。そういう多少の切り替えというか。もちろん長打を狙いに行く場面はありますけど、単打でもいいという気持ちの打席も去年は多かったと思いますね」

-軽打に切り替える

「そうですね。カウントも追い込まれるとね。長打というのはチャンスがあったらという感じですね」

-軽打はどういう意識?

「それはその時々にもよります。どういう時に軽打するのかと言われたら、やっぱりそれも点差とか状況、相手による。一概には言えないですけど」

-キャンプ中には「30本100打点くらい」という目標も口にした。今季一番狙いたいタイトルは?

「タイトルは、それは全部取れたら取りたいですけど、本当に今は打率かなという風には思っています。バットに当てて打率を稼ぐとかじゃなくて、(調子の)波を少なくするという意味で。やっぱり打率が高くなれば、もっと長打だったり打点も増えると思うので。しっかり強く振っていく中で、やっぱり打率というの残していきたいですね」

-具体的な目標の数字は

「2割8分以上はしっかり打たないと、とは思いますね。(去年は)2割6分8厘だったので。調子が良い時は月間3割とか打てるわけで、やっぱりそれが続かないと意味がないというか。もっと上にはいけないので」

-去年、一昨年は夏場頃から調子が良くなった一方、開幕直後は打率が落ち込んでしまった

「そこが難しいところ。年間を通してというのは。絶対に波はあるんですけど、その波を少なくするというのが、ずっと言っている課題。別に今年に限ったことじゃなくて、ずっとそれは考えていることなので」

-開幕から全開で行くためにやっていることは

「もちろんコンディション作りもそうですけど、やっぱりもっと自分のバッティングを理解していかないといけない。しっかり自分で改善していけるように。自分のこの映像を見たり、やっぱり感覚だけじゃどうしても無理。客観的に調子が悪い時はこうなっているというのが分かるように、なっていきたいですね」

▼阪神で先発3番打者として年間100試合以上に出場した直近の選手は、昨季の森下で106試合。ただし森下の他の打順も含めた打率は2割7分5厘だった。先発3番100試合以上&シーズン打率2割8分以上は過去9人で、19年の糸井まで14度ある。生え抜きでは過去5人で、14年の鳥谷を最後に出ていない。なお佐藤輝はスタメン3番で通算12試合に出場し46打数12安打、2本塁打、8打点、打率2割6分1厘。昨年は5月5日巨人戦の1試合で、3打数1安打(左前打)だった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】佐藤輝明、打率にこだわる25年「2割8分以上しっかり」安定感求めて開幕ダッシュ決める