チャーシューメン(大)に迷わずにんにくだれを投入しようとする日刊スポーツ客員評論家・渡辺久信氏(撮影・金子真仁)

<取材後記>

日刊スポーツ客員評論家に就任した渡辺久信氏(59)が7日、西武・南郷キャンプを訪問した。投手、監督、GMなどあらゆる立場で合計35年間もライオンズに携わった“ミスターレオ”は、シーズン91敗の責任を取って昨季限りで退団。久しぶりに外から見た“故郷”に何を感じたか。西武担当記者に2年ぶりに復帰した金子真仁(44)が密着した。日刊スポーツでは各記者が担当チームを切り取る「番記者プロデュース」をスタートします。

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渡辺氏からのご提案もあり、退団した昨冬から呼び名を「GM」から「ナベさん」に変えた。ナベさんはとても器の大きな人だ。豪快でイケイケ。「俺、いつもバレるんだよな。背がデカいから」。声がデカいのもたぶん一因だ。

豪快かつ丁寧。宮崎入りした6日、ソフトバンクキャンプ取材後にラーメン店にご一緒した。駐車場は満車。敷地外に少しはみ出て駐車していた車が1台、退出した。倫理的にそこに私たちの車はとめたくない。評論家氏を待たせるのは申し訳ないけれど…。ナベさんの意見は明解だった。「そのスペースは駐車するのダメだよな。迷惑になるよ」。かっこいい。球界でもずっと筋を通してきた。

偉ぶらない人だ。故郷の桐生名産の絹のようなきめ細やかさで西武を率いた。ようやく座ったテーブル。入れ物を「なんだ、これ?」と開けると強烈な香りのニンニクだれ。チャーシューメン(大)が届くと、ナベさんは「やっちゃう? やっちゃう?」と楽しそうにふたを開いて、豪快にぶち込んでいた。【西武担当=金子真仁】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 本紙客員評論家・渡辺久信氏提案で「ナベさん」に 豪快と丁寧…ラーメン店での気遣い/取材後記