川淵三郎氏(2024年2月25日撮影)

プロ野球阪神タイガースを、監督として球団史上初の日本一に導いた吉田義男(よしだ・よしお)さんが3日午前5時16分、兵庫・西宮市の病院で脳梗塞のため亡くなった。91歳だった。

日本サッカー協会(JFA)の川淵三郎相談役(88)が、吉田さんの訃報に際して、協会を通じてコメントを寄せた。フランスで野球の強化、発展に携わっていた吉田さんとの思い出に触れ「私はもとより日本サッカー界も大変お世話になりました」などと感謝。「生前中のご厚情に深く感謝申し上げるとともに、故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます」と思いを伝えた。

以下全文

吉田義男さんの訃報に接し、心からお悔やみ申し上げます。

フランスで野球の代表チームの強化に携わられ、野球の発展に尽力された吉田さんですが、私はもとより日本サッカー界も大変お世話になりました。

吉田さんと初めてお会いしたのはFIFAワールドカップフランス’98の数年前、早稲田大学蹴球部の先輩と日本サッカー協会とつながりのあるパリの旅行代理店の社長を通じて知り合い、そのご縁でフランスサッカー連盟(FFF)の幹部を紹介していただきました。

今ほど力がなかった当時のサッカー日本代表にとって、世界トップクラスのチームと対戦することはほぼ不可能でしたが、吉田さんにその足掛かりをつくっていただき、フランス代表とも何度か試合を組むことができました。

FFFとのつがなりができ、ヨーロッパに拠点ができたことは、吉田さんのお力添えがあったからにほかなりません。

以来、吉田さんと親しくさせていただきましたが、渡仏した際、わざわざシャルル・ド・ゴール空港に車で迎えに来ていただいたときは本当に恐縮しました。忘れがたい思い出です。

生前中のご厚情に深く感謝申し上げるとともに、故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 JFA川淵三郎相談役が吉田義男さんしのぶ「日本サッカー界も大変お世話に」