【巨人】田中将大、改造フォーム「めちゃくちゃいい」 久保コーチ「早過ぎるな、仕事なくなる」
順調すぎる復活ロードを歩む。巨人田中将大投手(36)が宮崎春季キャンプ3日目の3日、初めてブルペン入りした。投手陣全体でのウオーミングアップを終えると、木の花ドームに移動。捕手が立った状態で8球を投げた後、片膝立ちで28球の計36球を投げ込んだ。久保康生巡回投手コーチ(66)は「今日の感じでしたら、十分ゴーサイン出せそうですね」。昨季は1試合登板に終わった右腕が、2月中の実戦登板も視野に入った。
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静まりかえった木の花ドームに、乾いたミット音が鳴り響いた。ブルペンで、前への体重移動をより意識したフォームを確かめるように36球を投じた田中将は「自分の投球フォームにつなげて、動きをつなげて投げた中で、練習していることと同じような感じで投げられた。それはすごく収穫だったなと思います」。確かな感触を口にした。
上々の仕上がりに、思わず力が入った。ブルペンでの33球目。明らかにこれまでとは違う、力のこもったボールがミットに収まると「今日一(番のボール)だったね」。ブルペン捕手からの声掛けに、田中将も「ちょっと力を入れました」と反応した。久保コーチもすかさず「めちゃくちゃ良かったね」と笑顔。3人の会話が、充実ぶりを物語っていた。
早くも新フォームが体に染みついてきた。キャンプ初日から、久保コーチと投球フォームの大改造に着手する。この日も「1個1個ドリルとか、そういうところで1個1個の動きを分断して投げたりしてました」と、クイックやセットからの投球も交えながら練習。キャンプ3日目にして「全然違います。もう投げている感覚が違います。めちゃくちゃいいです」と手応えを示す。
予定を大幅に前倒ししていることが、順調に進んでいることの何よりの証し。ブルペン入りは第3クールをめどにしていたが「キャッチボールから、すごくスムーズにいったので、これをつなげようかっていう話で。そのままブルペンで立ち投げから、(片膝立ちで)座って一気に」と久保コーチ。「いい段階ですね。早過ぎるな、仕事なくなる」と、あまりのペースに名伯楽も余裕を見せる。
それでも、じっくりと丁寧に、復活への道筋をたどる。早ければ2月中の実戦登板も視野に入るが、田中将は「全然まだまだ。体の使い方というのを覚え込ませていかないとだめだし、力んでもしょうがない。力感のない状態でボールをいかせたいので、しっかりと(投球フォームを)自分のものにしたい」。順調だからこそ、焦らずに。13年は、圧倒的な球の強さとキレで24勝無敗を記録した。あの頃の姿を取り戻す。【水谷京裕】
◆田中将の今キャンプの取り組み キャンプインまでに久保コーチと方向性を確認。初日の1日は逆傾斜を使って約100球のネットスローを行い、体重移動がより前に強くなることなどを意識した。2日もネットスローを約30分間、113球。投球の際に体が右側に傾く癖を矯正した。3日はチューブを用いたトレーニングを行った。