DeNA森敬斗(2024年3月5日撮影)

侍ジャパンに新星が抜てきされる可能性が浮上した。DeNA森敬斗内野手(23)と日本ハム水谷瞬外野手(23)が、強化試合オランダ戦(3月5、6日=京セラドーム大阪)の最終候補に入っていることが29日、分かった。いずれも選出となれば初。森は若手遊撃手の成長株で、水谷は現役ドラフト選手では史上初の“成り上がり”となる。来年3月のWBCを見据え、新戦力発掘に重点を置く井端監督の狙いで、ポテンシャルの高い若侍がリストに入った。

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1年後に再びやってくるWBCを見据え、侍ジャパンに新たな若侍が招集される可能性が高まった。3月の強化試合2試合では、新戦力発掘を重視。昨年11月のプレミア12メンバーを呼ばない方針を示した井端監督が、ポテンシャルの高い2人の新星に目を付けた。

森敬は強肩・俊足のプロ6年目の遊撃手で、日本一になった昨季、ポストシーズンはCS、日本シリーズ全14試合に先発した。開幕を2軍で迎えながら、Aクラス争いをする最終盤にかけてレギュラーに定着。僅差を争う場面で、堅守でチームの窮地を救った。セ・リーグ3位から日本一まで駆け上がった“下克上”の原動力にもなった。27年ぶりのリーグ優勝を狙うDeNAには不可欠な選手。桐蔭学園から19年ドラフト1位で入団し、巨人坂本、西武源田らに続く遊撃手になり得る能力を秘めている。

一方の水谷は、成り上がりを地でいく。一昨年オフの現役ドラフトでソフトバンクから日本ハムへ移籍すると、新庄監督のもとで開花した。ソフトバンクでは1度も1軍出場がなかった中で、昨季デビューを果たすと交流戦で史上最高打率4割3分8厘でMVPを獲得。パワーとスピードを兼ね備え、シーズン2位で6年ぶりAクラスに貢献した。オフは推定年俸560万円からアップ率382%の2700万円で契約更改。さらなる高みを目指す中、現役ドラフト指名選手では初めて侍に抜てきされる可能性が出てきた。

すべてはWBC2連覇へ底上げを図るため。今月26日に富山での野球教室に参加した井端監督は、メンバーについて「国際試合を経験していない選手は半分以上いると思う。プレミア12を戦った上で補強ポイントを踏まえ、大抜てきもある」と話していた。今秋11月の強化試合(相手未定)でメンバーを絞り込む前、抜てきができるラストチャンス。ニュー・スター誕生の予感が漂ってきた。

◆森敬斗(もり・けいと)2002年(平14)1月28日生まれ、静岡市出身。桐蔭学園で3年春に甲子園出場。19年のU18W杯では佐々木朗希、奥川恭伸らとともにメンバー入り。同年ドラフト1位でDeNA入団。20年10月27日巨人戦で初出場し、初打席初安打。通算193試合、108安打、2本塁打、17打点、18盗塁、打率2割3分1厘。今季推定年俸2300万円。177センチ、80キロ。右投げ左打ち。

◆水谷瞬(みずたに・しゅん)2001年(平13)3月9日生まれ、愛知県津島市出身。石見智翠館では甲子園出場なし。18年ドラフト5位でソフトバンク入団。1軍出場なく、23年オフの現役ドラフトで日本ハム移籍。24年交流戦で歴代最高の打率4割3分8厘をマークしてMVP。通算97試合、94安打、9本塁打、39打点、4盗塁、打率2割8分7厘。今季推定年俸2700万円。193センチ、100キロ。右投げ右打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【侍ジャパン】DeNA森敬斗&日本ハム水谷瞬、3月オランダ戦最終候補入り 新戦力発掘に重点