浜口遥大投手(左)と三森大貴内野手

DeNA浜口遥大投手(29)とソフトバンク三森大貴内野手(25)の交換トレードが合意に達し、23日に両球団から発表された。投手陣が補強ポイントだったソフトバンクと、内野手が補強ポイントだったDeNAの思惑が合致した。ソフトバンクは現役ドラフトで獲得した上茶谷大河投手(28)に続き、またもDeNAからドラフト1位投手を獲得。浜口は交流戦7連勝の実績があるなどパ・リーグキラーで知られ、DeNAも「ポスト宮崎」を見据え内野手の層を厚くすることに成功した。

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ソフトバンクの補強が止まらない。12月だけで実績ある3投手の獲得に成功した。まずは9日に現役ドラフトでDeNAから上茶谷が加入。18日には米大リーグのレッドソックス傘下3Aウースターからフリーエージェント(FA)となった上沢の獲得を発表した。そしてこの日、交換トレードで浜口が加わった。DeNAからは上茶谷、浜口と、ともにドラフト1位投手の獲得となった。

投手陣の整備は今オフの課題だった。FAで先発枠の石川がロッテに移籍。さらに絶対的な正捕手だった甲斐もFAで巨人に移籍した。チームを支えてきたバッテリーの流出は、相当な痛手。そこでフロント陣は就任2年目となる小久保監督を支えるべく動き続けた。この日、福岡県内で野球イベントに参加した小久保監督は、浜口について「先発もロングリリーフもできる投手。縦変化を使うピッチャー。腕の振りもよくて、俗にいう投げっぷりがいい投手ですよね」と印象を語った。

浜口は16年のドラフト1位でDeNAに入団。独特の軌道で沈むチェンジアップを駆使し、1年目の17年には10勝を挙げた。佐賀出身で、三笠GMによると三養基高時代からリストアップしていたという。同年の日本シリーズ第4戦では、ソフトバンク相手に8回1死まで無安打投球。ルーキーイヤーからインパクトを残した実績ある左腕だ。

今季は2勝にとどまったが、日本シリーズの要所で好救援するなど日本一に貢献した。通算135試合に登板し44勝46敗、防御率3・76。特筆すべきは対パ・リーグ成績で17年から22年まで交流戦では無傷の7連勝。通算8勝2敗、防御率1・99を記録するパ・リーグキラーだ。背番号はトレード相手の三森が背負っていた「13」に決まった。

小久保監督は起用法について「これから話します。まだ倉野コーチとも話していないので」と先発と中継ぎの両にらみで検討している。来季リーグ連覇と5年ぶりに日本一を狙うタカが、順調に補強を進めている。【只松憲】

▼浜口は交流戦で新人の17年から22年5月26日ソフトバンク戦まで無傷の7連勝をマークするなど通算8勝2敗、防御率1・99。日本シリーズ通算3試合で1勝0敗、防御率0・84とパ・リーグ球団相手に好成績をマークしている。

▼ソフトバンクとDeNAの間でのトレードは12年ぶり。12年11月14日にソフトバンクの吉川輝昭投手、神内靖投手、多村仁志外野手、DeNAの山本省吾投手、江尻慎太郎投手、吉村裕基外野手の3対3で実施して以来になる。

◆浜口遥大(はまぐち・はるひろ)1995年(平7)3月16日生まれ、佐賀県出身。三養基(みやき)-神奈川大。16年ドラフトでは柳裕也(中日)佐々木千隼(ロッテ)の「外れの外れ1位」でDeNA入団。1年目の17年に10勝を挙げ、新人王は京田陽太(中日。現DeNA)に譲るもセ・リーグ新人特別賞として表彰された。同年はソフトバンクとの日本シリーズで初登板初勝利をマークし、シリーズ優秀選手。今年の日本シリーズでは第2、6戦で救援登板し、計3回を自責点1だった。173センチ、80キロ。左投げ左打ち。

◆三森大貴(みもり・まさき)1999年(平11)2月21日、埼玉県生まれ。中学時代は青森山田シニアで主に捕手。青森山田高では1年秋から遊撃手。2年秋の神宮大会4強。3年春に甲子園出場。16年ドラフト4位でソフトバンク入団。3年目の19年に1軍初出場。20年にウエスタン・リーグ首位打者。守備位置別の通算試合数は二塁315、一塁35、三塁3、左翼1。186センチ、76キロ。右投げ左打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】補強止まらず!「パ・リーグキラー」浜口遥大獲得 先発と中継ぎ両にらみで検討