契約更改を終えた才木は会見に臨む(撮影・上田博志)

阪神才木浩人投手(26)が20日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改に臨み、7000万円増の1億2000万円でサインした。球団の生え抜き高卒選手では史上5人目となる大台突破だ。今季チームトップの13勝を挙げた右腕は、来季タイトル総ナメしてさらなる飛躍を遂げると宣言。交渉の席では将来的なメジャーリーグ挑戦の希望を初めて球団側に伝えた。(金額は推定)

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2倍以上のホクホク更改にも才木の顔に笑顔はなかった。見据えるのは真価を問われる来季のシーズン。いや、もっと先だった。今季は防御率1・83でチーム最多の13勝を挙げ、侍ジャパンとしてプレミア12でも活躍した右腕。この日、初めて球団に伝えたのは将来的なメジャーリーグ挑戦の秘めたる思いだった。

「自分の野球のパフォーマンスで1番になりたい、というのが1番なので、メジャーが(モチベーション)ということではなく、どこにいても一番になりたい」

今年ははじめて日の丸を背負い、世界と戦った。「自信より、経験ができたということがよかった」と振り返った。以前から抱いていたメジャー挑戦の希望は「僕から伝えただけなので、まだ話はしていないです」と明かした。「20代後半、28、29歳とかで行けたらベストだと思っている」。海外FA権取得は最短で30年。ポスティングシステムでの移籍が現実的だ。28歳になる年でプレーを目指す場合、最短で来オフに申請することになる。

世界へ羽ばたく前に目指すは日本一の投手だ。生え抜き高卒選手では球団5人目となる1億円の大台突破。ただ、今季リーグで勝率、勝利数は2位、防御率、奪三振数は3位。チームも優勝を逃しただけに「1番以外に価値はない」と言い切る。来季はタイトルも「全部取りにいきます、取れるものは全部狙いにいきます」と個人でもチームでも最上位にこだわる。

8月は防御率4・13と夏場に成績を落とした。疲労回復に向けた睡眠、食事の重要性を実感。練習方法にも発見があった。夏場以外では試せないこともあるが、オフの過ごし方も重要視する。「食事などの積み重ねは今からできる。トレーニングでの微調整なども、今やりながらいい感覚もある」。これからもストイックに野球と向き合っていく。【塚本光】

◆阪神の1億円プレーヤー 95年に和田豊が1億3000万円となり、球団初の1億円プレーヤーが誕生した。生え抜き最高額は4億円で、藤川球児は09~12年、鳥谷敬が15~19年。来季は、未更改の佐藤輝を含め11人が大台に乗る見通し。なおポスティングでのメジャー移籍を目指す青柳は、今季2億1000万円だった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】才木浩人、メジャー挑戦の希望伝える「28、29歳とかで行けたら」海外FAは最短で30年