「無礼だ」20年前の日刊スポーツ1面…古田敦也氏がいきさつ語る「僕が言っているみたいに…」
古田敦也氏(59)が17日、20年前の日刊スポーツ1面のいきさつを語った。
日本プロ野球選手会が都内で開催した、球界再編20周年シンポジウム「ファンも選手も球界の一員です ~あの時何が変わり、何が変わっていないのか」に、当時の選手会長として登壇。近鉄選手会長だった礒部公一氏(50)、オリックス選手会長だった三輪隆氏(55)、阪神球団社長だった野崎勝義氏、会沢翼現選手会長(36=広島)と当時を振り返った。
シンポジウムでは、日刊スポーツの当時の紙面がスライドで紹介された。2004年7月9日の1面もあった。見出しはこうある。
渡辺オーナー「無礼だ」
オリックスと近鉄の合併・球界再編へと情勢は進んでいた。選手会はファン不在のまま、展開が進むことを疑問視。古田氏は選手会長としてNPB側との団体交渉に臨んでいた。そういう中で「オーナーと直談判したい」と取材に答えたことに対し、巨人渡辺恒雄オーナーが「無礼な、たかが選手が!」と言ったというものだ。
この報道の後、世論の風向きが変わったともされている。7月13日には阪神が10球団1リーグ制への動きに反対を表明。潮目となった。
古田氏は「交渉しても一方的に進むだけで。そこにいる(球団)代表もオーナーから決まっていると言われているだけで、ひっくり返す気もない。そんな交渉だった。時間だけが過ぎていって。このとき、囲み取材である記者に『(オーナーと)直にしゃべった方がいいんじゃないですか』と聞かれて『そうですね』と答えた。それぐらいの程度で。僕が言っているみたいになってるけど。そのあと(記者が)渡辺オーナーに持っていったら、そういう発言をした」と明かした。
さらに「当時は、皆さん思っている以上に渡辺オーナーの力は強かった。球界において」と続け、集まった150人のファンの笑いを誘った。
最終的に選手会はストライキを決行。ファンの強い支持を受け、NPB側も翻意。楽天の新規参入へとつながり、12球団は維持された。
古田氏は「今の野球の繁栄は皆さんのおかげ」と感謝していた。