【阪神】近本光司3億7000万円で勝負の1年契約!来季は大山に続いて“FA狂騒曲”となる?
勝負の1年契約! 阪神近本光司外野手(30)が10日、5000万円増の年俸3億7000万円で契約を更改した。順調なら来季、国内フリーエージェント(FA)権を取得する。球団からは、今オフに5年総額17億円プラス出来高払いでFA宣言残留した大山悠輔内野手(29)を超える規模の大型契約を提示されたとみられるが、単年の道を選んだ。大山に続いて“FA狂騒曲”となる可能性も十分。大注目の7年目を迎える。
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近本は心から納得したような表情で会見場に現れた。入団以来6年連続アップとなる5000万円増の3億7000万円でサイン。2年連続のチーム最高俸で、金本、藤川、城島、マートン、鳥谷、糸井に次ぐ球団8番目の高給取りになることが、事実上決まった。だが、今回の焦点は金額よりも契約年数。「単年です」。自ら1年契約を結んだことを報告した。
「6年間しっかりと安定した成績を残してくれた、ということと、これからも一緒にタイガースで、という言葉はいただきました。思いもすごい理解したし、しっかりコミュニケーションを取れました」
来季はFAイヤー。球団は1年後に向けて、このオフから最大級の誠意を見せてきた。5年総額17億円でFA宣言残留した大山を超えるとみられる複数年契約と、単年契約。どちらも選べる形で近本に提示していた。
嶌村球団本部長は「(来年のFA交渉の)1年前からこちらの考え方、彼に対する思いの話をさせてもらって、伝わったのかなと思う」と語った。分厚い契約条件と、態度で誠意を示してきた。近本はすべてを理解した上で、単年という結論を出した。
「(複数年の)考えはありました。球団の思いもたくさん聞かせてもらった。複数年のメリットはあると思うけど、まだ僕は実際にFAを取っていない。通常通りであれば単年の契約だと思うし。複数年のメリットよりも、単年に対するメリットの方がいいと感じたから、単年にしました」
自身が考える単年契約のメリットについて、詳述は避けた。同学年の大山が昨年、同じように単年契約を結び、FA宣言に至った経緯を知る。「僕も来年、その立場になるかもしれない。そういうことも踏まえて、いろいろな話を聞いていました」と1つの参考にしていることは否定しない。毎年毎年、目の前のプレーに全力を尽くしたいスタンスも、単年勝負を選んだ理由の1つになったに違いない。
「本当に大事なシーズンになると思う。ケガなく試合に出られることを目標に、チーム一丸となって、新しい監督と一緒にまず1勝を勝って、最終的に優勝できるように頑張りたいです」。終始、気負わず、マイペース。にこやかに、大注目の7年目へ1歩を踏み出した。【柏原誠】