【神戸】吉田監督の指導適性…元同僚・楢崎正剛「強い気持ちで指揮」久保山由清「芯の強さあった」
<明治安田J1:神戸3-0湘南>◇第38節◇8日◇ノエスタ
ヴィッセル神戸が湘南ベルマーレを3-0で下し、Jリーグ史上6チーム目となるリーグ連覇を決めた。
前半26分にFW宮代大聖(24)が押し込んで先制し、同43分にはMF武藤嘉紀(32)が追加点。後半25分にはMF扇原貴宏(33)がミドルを決めて試合を決定付けた。優勝の可能性があった広島、町田の結果を気にする必要のない完勝で、昨季のリーグ初優勝、天皇杯に続くタイトルを手にした。
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連覇を果たし、名将への道を突き進む吉田監督は、プロデビュー時からこだわりの強さを持っていた。95年横浜フリューゲルス同期加入の楢崎正剛(現名古屋コーチ)と久保山由清(現今治コーチ)は、今につながる能力を新人時代から垣間見ていた。
楢崎は「プレーだけでなく、見た目も竹野内豊みたいで人気だった。当時のJリーグの華やかな部分も楽しむタイプ」と話す一方で、ピッチでは献身的な姿勢が印象的だったという。「ゴールゲッターの仕事もしていたが、前線から追いかける献身的なプレーがチームの助けになっていた。当時では数少ない、みんなのために汗をかくプレーができる選手だった」。久保山も「ひたむきなスタイル。走れて、守備できて、シュートがうまかった」と声をそろえた。今の神戸のサッカーにつながるハードワークは、監督自身が得意としたものでもあった。
吉田監督の指導者としての適性も見抜いていた。楢崎は「自分で考え、強い気持ちで指揮していた」。久保山は「自分の考え通りやるために何が最善かを考えられる。動じない芯の強さがあった」とみていた。自らの信じた道を妥協せず進む変わらない姿勢が、監督業での大成につながった。