【日本ハム】森本稀哲コーチ「辞めたかぁ」松坂世代最後のNPB選手・和田毅は「剛腕」だった
日本ハム森本稀哲外野守備走塁コーチ(43)が6日、同じ松坂世代で前日5日に今季限りでの現役引退を発表したソフトバンク和田毅投手(43)について語った。
秋季キャンプ第2クール初日にエスコンフィールドで取材応対した森本コーチは、引退発表前に和田から連絡を受けていたという。「勝手に僕らの同世代の思いを背負わされた感じもあると思う。余計なことを言わずに『お疲れさまでした』と(返した)。その一言でたぶん彼は受け取ってくれると思う」とシンプルな言葉でねぎらった。率直な気持ちとしては「辞めたかぁ…って感じっすね。まだ今年も投げていたんで、ボールを見たらまだできるとは思うんですよね…っていうのが1つ。もう1つは、この歳までやっていたのはすごいなって、あらためて思いますね」と明かした。
帝京(東東京)出身の森本コーチは主将を務めた3年の時に、98年夏の甲子園で和田がエースだった浜田(島根)と3回戦で対戦。和田からホームランを放ったが、チームは敗れた。当時の和田の印象は「打ちやすいピッチャーだなと思っていて(笑い)。実際にはやっぱ投球術とかで(チームは)やられて、結果的にはいいピッチャーだったんだなって思いましたけど、あの時はほんとに、そんなにいいピッチャーだなってのは感じなかったです、ほんとに」と笑顔で振り返る。
それでも早大を経て02年ドラフト自由獲得枠でダイエーに入団した和田とプロで対戦して驚いた。「ボールを見た時に、なんかすごい努力してきたんだなぁと思って。そこからはもう全く歯が立たないイメージはありました。打ちづらかったっすよねぇ」。和田と対戦する時は、意識するポイントがあった。「(球速が)145キロぐらいなのに150キロ以上の速さを目で感じているんですよね。だから、和田君と対戦する時は“剛腕”と思って打席に立っていたんですよ。杉内君と和田君がそういうタイプ。技巧派に見えると思うんですけど、たぶん打席に立った選手はみんな思っていたと思うんですよ。真っすぐが速いって。そこがやっぱ彼のすごさ。真っすぐを速く見せる技術は今後の選手たちに伝えていってほしいな」と脳裏に現役時代の対戦をフラッシュバックさせた。
グラウンド上で顔を合わせれば、いつも会話を交わしていた。「今年も『まだまだボールは元気なんだけど、先発ピッチャーの層がホークスは厚いから、なかなかチャンスは巡ってこないんだけど』って話はしていました。本人が納得して辞めるんであれば、なんか心から『お疲れさま』。僕の言葉なんて、彼にどう響くかわかんないですけど。チームも違うし、そこまでプライベートでも付き合いがあるわけないですけど、高校時代に対戦したっていうこと…あ、ご飯行ったことあるんだ。忘れていた。日暮里のお好み焼き、行ったんだ(笑い)。また、プライベートで飯も行きたいっすね」。同世代最後のNPB選手への感謝や尊敬の念が次々と言葉からあふれていた。