阪神近本光司(2024年10月11日撮影)

いきなり私事で恐縮だが、11月から異動することになった。約4年間の阪神担当記者から全くの別部署で働く。さらに人生初の東京暮らしとなる。正直、かなり不安に思っていた。そんな中、阪神近本光司外野手(29)の言葉に助けられたことがある。もしかすると私以外の多くの社会人の皆さまにも響くと思い、紹介させてもらいたい。

まだレギュラーシーズン中だったが「異動することになりました」とあいさつさせてもらった時のこと。少しだけ「環境が変わる時に考えること」についての話題になった。

近本は「俺もいろいろ変わるのが嫌いやからさ。なるべく変わりたくない」と言いつつ「でも、絶対周囲の環境って変わるもんやから。しょうがない。自分では変えられないことやんか」。さらに続けた。

「だから、そこで自分で新しいものを見つけにいく。東京は住むところからこっち(関西)と違うやん。こっちなら『だいたいこの地域はこの値段かな』『こんな雰囲気かな』っていうのが分かる。でも向こう(東京)は分からんからさ。『ホンマに東京の人って冷たいんかな~』とか『でも、案外良い人なんちゃうか(笑い)』とか。想像したらちょっと楽しみちゃう? 自分でそうやって見つけていくことやな」

これは近本が野球に関しての取材で言い続けてきたことと同じだった。自分で変えられないことにフォーカスするのではなく、今できることに全力。とにかく準備し、反復し、最後には楽しむ。そんな姿を見てきた。プロ野球選手だから、それを野球で体現する日々。大きなことを言えば、その生きざまから「人生を楽しむ方法」を垣間見てきた人は、1人や2人ではないはずだ。

11月に入る。オフシーズンは長いようであっという間だろう。来季でプロ7年目。しっかりと土台をつくり、またグラウンドで「楽しむ」ということを全身で表現してくれるはずだ。【阪神担当=中野椋】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】「想像したらちょっと楽しみちゃう?」異動の記者に近本光司が教えてくれたこと