水戸対清水 後半、ゴールを決め急いでリスタートに戻る清水北川(撮影・宮地輝)

<明治安田J2:水戸2-2清水>◇第34節◇6日◇Ksスタ

清水エスパルスが2-2で水戸ホーリーホックと引き分け、J1昇格はお預けとなった。前半に2失点し、4試合連続で先制される展開。しかし、後半にFW北川航也(28)とMF矢島慎也(30)のゴールで追いつき、勝ち点1を積み上げた。ドローでも3位長崎が敗れれば昇格決定だったが、大分に4-1で快勝したため持ち越しに。首位の座は横浜FCに明け渡したが、次節20日のホーム山形戦で勝利すれば、無条件で3季ぶりのJ1復帰が決まる。

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因縁の地で、清水が再び試練に見舞われた。前半にまさかの2失点。昨季最終戦で引き分けてJ1自動昇格を逃したKsスタで、悪夢がよみがえる。重苦しい雰囲気が漂う中での折り返し。しかし意地はみせた。

後半開始から、秋葉忠宏監督(48)は選手2人を同時に交代。「45分間で3得点を取る」ためのカードを切った。2分、後半からピッチに立ったFWドウグラス・タンキ(30)のパスを北川が右足でねじ込み、1点差。37分に矢島の強烈な右足ミドルで追いついたが、勝ち越すことは出来なかった。北川は「先に取れずに取られてしまうのは大きな問題。追いつけたチームの力は評価できるけれど…」と、勝てなかった悔しさで複雑な表情を浮かべた。

チームは4試合連続で先制点を許す劣勢の中で2勝2分けと負けていない。この日もしぶとく勝ち点1を積み上げたことで、自力で昇格をつかめる権利は手にした。次節20日の山形戦で勝てば、J1復帰が決定。今季16戦無敗と圧倒的な強さを誇るホームゲームのアドバンテージもある。

この日、敵地には4500人のサポーターが駆けつけ、試合後も大声援を送って選手の背中を押した。MF乾貴士(36)は「サポーターの後押しがあったから追いつけた。次は自力で決められるので、いい準備をして戦いたい」とチームの思いを代弁した。J1昇格のマジックは「1」。まずは勝って最低限の目標を達成し、逆転でのJ2優勝に望みをつなぐ。【神谷亮磨】

◆次戦でのJ1自動昇格条件 清水は次戦で2位以内の自動昇格が決まる可能性がある。条件は(1)清水が山形に勝利(2)清水が山形と引き分け、3位長崎が秋田に引き分け以下(3)清水が山形に敗れ、3位長崎も秋田に敗戦、となる。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【清水】水戸とドローでJ1昇格お預けも自力昇格の権利手に「次はいい準備をして戦いたい」乾貴士