浦和対C大阪 勝利しスタッフと抱き合い喜ぶC大阪小菊監督(左端)。右端は浦和スコルジャ監督(撮影・足立雅史)

<明治安田J1:浦和0-1C大阪>◇第33節◇5日◇埼玉

セレッソ大阪が敵地で浦和レッズを破った。2連勝で勝ち点48に伸ばし、前節9位から暫定8位に浮上。相性のいい対浦和戦は、これで3連勝となった。

小菊昭雄監督(49)は「最後までよく頑張ってくれた。勝ちたい気持ち、連勝を伸ばすという強い気持ちが出た」と、まずは選手を称賛した。

浦和にボールを保持されつつ、前線からのプレスなど連動した組織的な守備で対抗。前半は時間の経過とともにリズムが生まれ、MFルーカス・フェルナンデス(30)のCKから、MF為田大貴(31)の右ボレーで先制した。後半はより守勢に回ったが、この1点を粘り強く守り切った。

「本来なら攻守にアグレッシブな試合を毎回、お届けしたいが、今日はゲームコントロールが、非常に大事なポイントになると思っていた」と指揮官。

堅守をベースにカウンターも仕掛け、今季初の3試合連続無失点が証明するように、以前のC大阪が得意としていた戦法で勝ちきった。状況に応じた試合巧者ぶりを発揮できた。

1-0ながら攻守に完勝を収めた前節2日のガンバ大阪戦から中2日。先発の入れ替えはしなかった。コンディションがよくなかったルーカスら、一部選手に不安があったという。

21年8月に途中就任した小菊監督は、苦渋の決断で浦和戦を迎えた。

「(先発は)最後の最後まで悩んだ。私は試合の前日にメンバーを伝えるが、実は監督に就任して3年で初めて、今日の当日、昼間のミーティングで選手に発表した。何人か、けがを抱えている選手もいる中、大阪ダービーの流れを継続したい、前半で力を出し切って疲れたら(他の選手と)交代する、勝利のために徹底すると」

その期待に選手が応え、勝因については「全員のつながりが強固だった」と、改めて褒めたたえた。

C大阪は4月に首位に立ちながら、7月以降は4連敗を含む8戦未勝利で一時12位まで後退した。それでも小菊監督は「V字回復させたい」と公言し、この4試合は3勝1分けだ。

実際に前節の大阪ダービーの試合後、控室で選手に言った。

「今日のサッカーができたら、もう1回、俺たちは前半戦のように主役になれるから。(残り試合に)全勝できるよ。だから中2日のアウェー(浦和戦)は、もちろん大変よ。でも、そんなん、関係ないから」

指揮官の目標が達成できれば、残り5試合全勝で7連勝フィニッシュとなり、勝ち点は63まで伸びる。

6日の首位サンフレッチェ広島、2位ヴィッセル神戸の結果次第で、C大阪の逆転優勝の可能性は完全消滅するが、4位前後には届くかもしれない。22年が5位、23年が9位だった小菊セレッソが、意地の猛反撃に出る。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【C大阪】小菊昭雄監督「そんなん、関係ないから」中2日強行日程も浦和撃破で意地の2連勝